そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス 完成披露舞台挨拶 感想

グリスVシネ完成披露舞台挨拶に行ってきました。
自分にとっては、おそらく最後の仮面ライダービルド関連イベントです。*1

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クローズVシネで成仏できなかった魂が、最後の祭りでいよいよ天へと旅立ちます。ばちくそ長い、ネタバレだらけ、感想にもならないような自分用の備忘録です。レポートはいつも、忘れ行く自分との戦いだ。記憶違いがあったらごめん。また、上映後にお話しさせていただいた皆さま、本当にありがとうございました。最後のイベントで、忘れがたい思い出になりました。またどこかの機会にご挨拶ができる日を、心待ちにしております。










戦兎と万丈は、やっぱりしばらくあのまま、第3倉庫で、ふたりで暮らすんだろうな。互いの生活用品が増えていたということは、ガチであそこに住んでるのか……。住み心地は悪そうだけど、大がかりな実験装置を準備して昼夜問わず開発のためトンテンカン音を出したり、筋トレしたりすることを考えると、確かに普通のアパートには住めないし、住んでみたけどそれも原因で追い出されたのかもしれないね。倉庫の天井、劇中でテロ組織にぶち壊されてるだろうに、事件解決後も平然と住まい続けるベストマッチに笑ってしまった。

当たり前のようにふたりで暮らしていて、当たり前のように「行くぞ、万丈!」って言える。かつて、本編最終回後もここまで仲良く喧嘩しながら一緒に暮らす1号2号ライダーがいただろうか。やっぱ最高だわ、戦兎と万丈!


むちゃくちゃ話が長いので、総括から書いた。

グリスVシネ総括

これは紛れもなく仮面ライダービルドの作品群だった。なにがそう思わせたのかというと、本編でおなじみの登場人物たちが、みんな想像通りの言動を見せてくれるから、ストレスフリーだったのではないかと思う。そして何より、武田航平のコメディ演技力。これに尽きる。これは紅音也の昔からですが、武田航平マジでコメディ演じさせたら、並大抵の若手俳優じゃ絶対に敵わない*2わよね。センスがいいんだろうなあ、カズミン登場だけで空気が和むのは本当にすごい。グリス(潤滑油)ってネーミングがぴったりの、仲間との絆の物語でした。温泉がファントムリキッド、とか言い出すむちゃくちゃ感も、絆の力で科学性能を上回っちゃったぶん投げ感も、めちゃくちゃに、ビルドらしいなあと思う。まずは前提として、やっぱり私は今でも「戦兎と万丈しか覚えていない、エボルトも復活しない」が、物語としては最も美しくていい、と思っています。しかし、前回のVシネでああいう事態になってしまった以上は、現状で最善の物語だった。悩むくらいなら観に行くべきだ。グリスVシネ、おすすめです。*3


猿渡一海と三羽烏の物語

今回の前説は、いつもの戦兎と万丈ではなく、一海と三羽。一海は都合の良いようにビルドの活躍をグリスにすり替えてあらすじ紹介します。ということは、グリス編は一海と三羽の創作、という説も、アリかも。とにかく、前作までと異なり、戦兎と万丈は、この物語を収録していない。三羽と一海を巡る筋書きは「それ見たわー、ビルド本編で何度も見たわー!」な感じですが、みんなで遭難して「俺の肉を食ってでもカシラは生き延びてください」とまで言わせるとはなあ。しょげるカシラに活を入れる赤羽はよかったし、黄羽ちゃん北都のアイドルだし、青羽は出てくるだけで面白くてズルい。よりコメディ寄りに、ズッコケ感が増していてよかったですね。


氷室幻徳の大活躍

マジでカッコよすぎないヒゲなし氷室幻徳???
(トゲナシトゲトゲみたいだな???)

ヒゲを失って紗羽さんを得た氷室幻徳。紗羽さんに鍛えられたのかなんなのか、流暢な英語とローグでの応戦、機転を利かせたグリス呼びなど、かなり有能な働きをしてくれます。ひょっとするとグリスVシネで一番の功労者かもしれない。欲を言えば、記憶の戻った内海と和解して仲良くやれている描写もほしかった。

ちなみにヒゲがヒゲじゃなくなった理由は「紗羽さんに無いほうがいいって言われたから」なんだけど(ここで劇場全体がFu~~~↑↑↑ってなったの最高だった!)、メタ的に言えば、連絡がPから来たのが撮影の2日前だったせいらしい。ですよね!!!って感じだが、その事故(?)が結果的に良い方向で回収されてニヤリとしてしまいました。戦兎と万丈がツッコミ入れてくれてよかったよね。


幻徳&紗羽、一海&美空

個人的には「男女がくっつくことはハッピーエンドの表現にならない」と思っているので、Vシネや小説版にありがちな“くっつきエンド”に異を唱えたいタイプではあるのですが、リアルタイムで2年間もの長きに渡りレギュラーメンバーの関係性の移り変わりを見せられてくれば、そりゃあ、むしろおめでとうっ、みたいなところがあります。みんなのアイドル石動美空*4が、めちゃんこかわいくって大満足なんだけど、美空ちゃんと紗羽さんを絡ませなかった罪は大きいぞ!(まさかの紗羽みそ過激派)

寄せ集めの疑似家族だったナシタ組が、本当に家族をしているような新世界も、あってもいいよね。素敵だね。しかし、まさか、みーたんが戦兎とくっつかないとは思わなかった……もしもグリスVシネが実現していなかったら、おそらく戦兎&美空ルートのつもりだったのでは。これで小説版、ぽっと出ヒロインが登場して戦兎くんと恋仲になったら、やっぱりなんだかイヤだなあ。

ドルヲタには永遠のドルヲタであってほしかった、って気持ちもあるんだけれども、よくよく考えてみれば新世界美空の歴史に、ネットアイドルみーたんとして活動していた黒歴……経歴は無いはずで、そのわりには猿渡一海のスマホに使い古されたみーたんステッカーが貼ってあるのは変なんですけど笑、たぶん、新世界みーたんは、全世界にファンのいるネットアイドルではない。猿渡一海が勝手にアイドル化している(夜なべしてみーたん衣装も創る!)だけの普通の女の子だから、セーフ!!!

(家に猿渡一海を連れて来られた石動惣一の反応が気になるところです。でも、案外すんなり受け入れちゃうかもなあ。謎の倉庫住まいな天才発明家とか、その助手よりは、明らかに身分がしっかりしているし笑)


開幕直後の「ドル推し」

「ドルヲタ、推しと付き合うってよ」は、期待通りの純度100%ラブコメ。美空が一海に付き合ってもらって、惣一さんへのプレゼント用ネクタイを選ぶ。一海は思いきって、夜なべして創ったみーたん衣装(!)をプレゼントして告白するも、美空にドン引きされてはっきりフラれる。一海の好きな色は“緑”(ただし、あの場合、美空が何色のネクタイを手にとっても俺の好きな色がよくわかったね、って言いそう。)であることが判明。傷心旅行しようと手漕ぎボートで大海原に出るも、遭難して無人島に流れ着いて死にかける一海と三羽。このとき偶然入った温泉のおかげで、四人はまさかの救世主に……!というのが変身解除されない理由。という実に しょーもない前振りですが笑、是非とも最後までその内容、覚えていてね!


敵の設定について

これだよこれ、こういうので良かったんだよ!
なんで地球外生命体のおっさん呼び戻す必要があったんだよ、一ミリも出てこなくとも話は創れるじゃんよ、最初っからこういうのやってくれよ!!!*5

と、叫ばずにはおれなかったメタルビルド。
この敵の好きなところが3つありまして、

①純粋な悪意に満ちた科学者が敵となる
②地球外生命体を倒そうとも人間の悪意は残る
③無機物×無機物の組み合わせへの答え

これらを網羅した上でカッコよかった(メタルビルド、ファントムビルドって名前がいいよね、)し、ハザードの流用で懐にも優しいし、シナリオとしても好感触(今回の件を省みて、葛城忍が巧に謝罪し和解する→戦兎が笑顔になる、万丈がそれを見て少し笑う)でした。白パネルくっ付けたら強くなる原理はよくわからんし、結局白パネルそのまま残りましたけれども。あ、今回の敵はスマホで自分が呼ぶのではなく、仲間の幻さんを脅して電話かけていたのでそこはかとなく知性が感じられてよかった。でもやっぱりスマホで呼び出してたな。


人間の科学者という敵の登場

本編では科学に興味を持たせる教育番組的な側面もある(であろう)手前、葛城巧も、葛城忍も、内海成彰でさえも「本当は善人でした!」という結末で、どうしても科学者を悪者にできなかったのだろう*6と思うのですが、今回はよくやってくれた。用済みのマイケル富岡を秒で撃ち殺す科学者。まさかマイケル富岡が瞬殺されるとは思ってなかったなあ。こうした悪人(とはいえ契機はエボルトが仕掛けた実験っぽいので、根っからの悪かというと疑問も残る)が科学技術を身につけた場合にどうすべきか、の物語を見せてくれたのがよかった。ただ、またいつも通りの「ハザードレベル(≒感情、エモさ)を上げて、物理で殴れ!」な話になってしまいましたが、いいんだよ、ここまで見てるビルドファンはたぶんそういうのが好きなひとばかりだと思うよ。


猿渡一海と桐生戦兎の関係性

武田航平、犬飼くんとの掛け合いがほんといい。これだよこれ、自分が求めていたのは真顔で対峙するGOZEN試合じゃなくて、この、クソ小生意気な後輩と、乗っかりつつ振り回されてくれる先輩感なんだよ……ていうか前回見たのがGOZENだったから、戦兎とカズミンの落差がとんでもねえ。好き(直球)。

青羽と出会うことになる戦兎の心情描写まで丁寧に描いてくれたらうれしかったのだけれど、さすがにそこまでは、尺が足りなかった……。


豪華なセミレギュラー出演者たち

ご出演くださりありがとうございました。氷室泰山無しには、政府の重厚さやテロリスト集団「ダウンフォール」の脅威が伝わりにくかったでしょうし、葛城忍無しには、葛城巧と万丈龍我の場面、または最後に笑う桐生戦兎と万丈龍我の場面の妙味が強調されることもなかったでしょう。特に忍パパ大好き。ビルド夏映画から、私は忍パパの虜です。生方直進は、あい変わらず妙な色覚表現センス(今回は「ダークグリーン?の怪物に襲われてっ」)で最高だった。武藤さん、パープル色の仮面ライダーって言い回しが変だと言われていたのをよっぽど気にしてたんだろうなあ笑。


葛城忍には息子が“ふたり”いる

葛城忍が、巧も戦兎も息子だと思っていて、幻徳に「もうひとりの息子(戦兎)はどうしてる?」って尋ねるところでもう、ダメだった。泣いた。忍パパは巧を気にかけているけれど、巧は思うところあって忍も知らないどこかの研究室に閉じ籠っている。そして、その、忍さえ知らない研究室の場所を“桐生戦兎は知っている”ってのが、かなりの燃えどころだった。そりゃあ、なあ。自分だもんなあ。


新世界の葛城巧と万丈龍我の和解

グリスVシネ、個人的に創った意義があったと最も思えた場面は、実は一海絡みでも、戦兎絡みでもなく、この、巧と万丈が会話する場面だったような気がしています。新世界の葛城巧があまりにも理想通りだった。万丈龍我と葛城巧の和解を描いてくれて、本当にありがとう。

戦兎から協力を仰がれ、葛城巧は、戦兎・万丈・幻徳・内海が変身でき、変身解除されなくなる薬(謎の黄色い瓶詰めジュース)を創ってくれます。 

巧「完成した。これで変身できる」 
万丈「アンタは戦争の兵器を創らされたから親父さんと仲違いしてるんだろ。どうして俺たちのために(協力してくれるんだ?)」 
巧「ヒーローが使うなら、それは“兵器”じゃない。“希望”だ」 
万丈「(少し笑う)」 

これ、何気に、葛城巧が“万丈龍我も、ヒーローであり希望である”と認めた瞬間なのよね。新世界では、戦兎と巧も、万丈と巧も、けっこううまくやれている描写でめちゃくちゃよかった。ていうか、葛城巧がすっごく優しく丸くなっててよかった! 、でもって、この場面の直後に険しい顔した戦兎が来て「戦兎」って声かける万丈がもう……っ!!!

それにしても、新世界の葛城巧は記憶が戻っているわけで、つまるところビルド夏映画の戦兎がオルゴールBe The One流しながら「俺の大切な相棒なんだよ」してたのも知っているわけで、戦兎が万丈引き連れてやって来たのを見て笑っちゃわなかったんだろうか、照れくさくなかったんだろうか……。

巧と戦兎の会話が難しすぎてついていけなくなって別室で筋トレ始める万丈龍我、バカすぎてかわいいというか、三人の会話の構図めちゃくちゃ見たかったなというか、あんまりにも想像通りというか……最初はちょっと深刻そうな顔してふたりの会話聞いてたんだろうな、と思うと万丈すっごいイイよ、かわいいよーっ!!!!


内海成彰再変身&正義のヒーロー化

グリスVシネ開幕直後の第3倉庫、内海が「部下が記憶を戻して騒ぎだした、私にネビュラガス注入してくれ!」みたいなこと言って、戦兎と万丈が白い目で見てるっていう、おまえたち、ジーニアス回で命の取り合いしてた頃と比べると、ほんと平和だな……から始まりまして、本編中ずっと放置されてて忘れられてた感じといい、やっぱり内海はこうじゃないとね、みたいな。

戦兎くんから一緒に戦ってほしいと頼まれた内海成彰、絶対こいつ「愚問だな」って言うぞと思ったら本当に「愚問だな」って言ったから笑ってしまった。内海っていうか、越智くん、隠しきれないいいひとオーラ出てたもんなあビルド本編。ついに内海も正式に「全ては難波重工のために」ではなく「全ては“民衆”のために」戦い始めます。しれっとエボルドライバー出してきて最高だった。戦兎くんが復元した模造品、ということであれば、内海が生身で変身できてもおかしくはないな。

内海成彰すっごくよかった、前作の扱いより数倍イイ。最後に難波ロッド改で笑わせて終わるの、ズルいんだぜ笑。よかったねウツミン、あのままなんとなく仲間はずれで終わっていたら、やっぱり悲しかったもの。


カッコよすぎるガワの大盤振る舞い

最後の祭りなので、みんな変身しちゃう。あのジーニアスが活躍。推しガワのクローズマグマは美空の縄をもたもたほどく。難波重工ではなく“全ては民衆のために”戦うマッドローグ。おまえそのエボルドライバーどこから持ってきた(戦兎くん作、だろうか?)。プライムローグ様スクリーンデビュー。

力がみなぎる、魂が燃えるっ、俺のマグマが迸る!もう誰にも止められねえ!!!って、各ヒーローが各々の口上述べてキレッキレに動き出すだけで、来ぃたぁああああああ!!!!!ってなってめちゃくちゃ燃えるよね。あの背中から抜けるゾワゾワを映画館の、大迫力のスクリーンで再び観られたことがもう、どんなにうれしかったことか!!!

雪片撒き散らす真昼のグリスブリザードのカッコ良さ。話の都合上絶対に負けちゃうのは悲しいんだけれど、あれってズルされなきゃ勝てた、いいところまで善戦したわけで、変に格下げにならなかったのが嬉しかったなあ。くそおなじみの場所、晴天下で戦い始めたパーフェクトキングダムの活躍も最高に素敵。一度はファントムビルドにやられてしまうのはびっくりした。でも、性能差で負けていても、三羽と美空と仲間を想う気持ちでハザードレベル爆上げできるのは実にカシラらしくてイイ。改めて見ると、ちょっとウルトラマンにも見えて、ヒロイックで。だけど個人的には、美しさと儚さも込みで、やっぱりグリスブリザードを推したいなあ……。


クローズVシネとの関連性(追記しました)


戦兎くん、なんで、ラボへ連れてきたところで役に立ちそうもない(実際、巧との会話についてけなくて別室*7で筋トレしてた)万丈をわざわざ連れてきたんだろうと思ったのだけれど、自己解決しました。そうじゃん。今までのビルドの流れからすると万丈が一番危ないじゃん。万丈そのものが人質にされる危険が一番高いからじゃん!!!!!!(名推理)

一海と三羽には美空ちゃんの護衛に向かわせて、さりげなく、万丈の護衛は戦兎くんが引き受けていたわけか。こう考えてみると、グリスVシネの戦兎くん、変身できない万丈のこと肌身離さずめちゃくちゃ大事にしてくれているじゃんね。

桐生戦兎は葛城巧と上手く協力できているようですが、結局、黒髪万丈と茶髪万丈のほうは面識ないのかしらね。でも、出会って説明しないと、記憶を戻した香澄さんを守りきれないんじゃ……いや、記憶を戻してすべてを察した聡明な香澄さん、目の前の万丈と旧世界の万丈とが別個体と認識するも、黒髪万丈を心配させないために、あえて黒髪万丈には何も知らせず、何も思い出していないふりをして暮らしてるのかもしれないな。ともすれば、戦兎や茶髪万丈が接触してわざわざ危険な仮面ライダーの戦いに彼女を巻き込む必要もないわけで、もう、香澄さんと茶髪万丈の人生は、交わらないのかもしれないな。仕方のないことだけど。どうにも切ねえなあ。




ここまで序章。ここから本題です笑。



グリスVシネ(ビルド最終章)に係る 戦兎と万丈の在り方についての考察

グリスVシネにおける戦兎と万丈、なにが良かったって、桐生戦兎の笑顔を確認して笑顔になる万丈龍我で終わるところ。最後まで戦兎は万丈を「万丈」って呼び続けたところ。とにかく、ベストマッチが、彼ららしい軽妙な掛け合いと、信頼しきった関係性である描写で、その不変ぶりが大好きでした。これだよこれ、こういうのでよかったんだよ……!!!

クローズVシネでは、びっくりするほど別行動だったのに、グリスVシネでは、びっくりするほど共に行動する戦兎と万丈、需要と供給だよねぇって感じで実に味わい深い。戦兎くん、寝てる万丈を無理やり起こして首根っこひっ掴んでまで一緒にいたのは、変身不可な万丈が、いつかみたいに拐われないようにしてたんだろうなあ。ちゃんと変身能力戻ったら、一海のところへお使いに行かせたわけだし。

万丈にお使いに行かせて自分は内海を呼びに行く戦兎くん、本編主人公の行動として無理がない範囲でよかったですね。変身してジーニアスも活躍できたし。万丈は新アイテム運搬要員として、赤青黄色の台本を持たされていた頃から比べると随分お使いスキルアップしました。あ、この万丈は天才発明家の助手のほうだわ。という感じです。ありがとうございます(?)

おそらく映像作品としてはこれが最後のベストマッチ、葛城巧と忍が和解できたらしいと聞いて「よかったあ、やっぱ親子は仲良くないと!」ってクシャッと笑う桐生戦兎、その戦兎を見て、「戦兎」って呟いてようやく笑顔になる万丈龍我(ビルド本編の、鍋島娘に実験を見せて笑顔になる戦兎を見たときの万丈*8みたい!)が非常に印象的です。この場面、最っ高だ。万丈が戦兎の幸せ願うように、戦兎が巧の幸せ願ってるじゃん。なんという優しい世界。ありがとう。新世界編を創った意義があった。

……万丈は、最近あいつの笑った顔見てねえんだよと嘆けるほど、戦兎には笑っていてほしいと思っていて、それが叶っていて、彼は自分の意志で選択してあの倉庫に、つまり戦兎の側にいて、だからやっぱり、万丈龍我にとってもハッピーエンドだったんだろうな、ビルド本編最終回。赤楚くんもバッドエンドかと思ったらハッピーエンドでしたね、って言ってたけどさ。

ジオウ夏映画のゲイツによる“ソウゴ呼び”が記憶に新しいところですが、戦兎は最後の映像作品まで、万丈を下の名前では呼びませんでした。これは、この先も戦兎と万丈の関係、あるいは戦兎から万丈への接し方が不変であること、ビルドの物語や戦兎と万丈の日常生活が終わらず続くことを示唆するようで、ありがたかった。そんなことを思えて最高の新世界ベストマッチでした。

幻徳と紗羽さん、ついにダサTペアルックで、ホテルで朝まで語り明かし、お付き合いしていることをベストマッチに暴露。ふたりで並んでびっくり仰天している戦兎と万丈で、グリスVシネにおけるベストマッチの活躍場面は終わります。それにしても桐生戦兎、あれだけ、美空とも紗羽さんともいい感じのフラグを立てておきながら、すべてへし折って、万丈と同棲継続中。

なんというか、やましい気持ち一切なく、純粋に、どうかどうか、末永く、お幸せにな。



紗羽さんが「でもよかったよね、丸く収まって!」みたいなこと言って無理やり美談にまとめるんですけれども、根本的にはなんにもよくないしなんにも解決していないだろ、ってのがむちゃくちゃビルドっぽいんですけれども笑、この短い時間の中ではよくまとめ上げてくださった、最善のビルドだったと思います。前作で創ってしまったこの世界における根本的な問題を解決するには、もっかいどこかの地球ぶつけてくっつけるしかないだろうしな。おとなたちに続編を創らせた武田さん栄信さんは、本当によくやってくださいました。手が腫れるまで拍手を送りたい。だって映像媒体が前作で本当に終わっていたら、自分、死ぬに死ねなかったもの。

2年間の撮影、本当にお疲れさまでした。
もう、これで、新たな戦いが起こらないといいね。





舞台挨拶で印象に残ったことのメモ(おまけ)

(1部)

・温泉に見えるあれは極寒の潮だまり。黄羽くんもう少し浸かってみようか(ハート)みたいな、けらけら笑ってる中澤監督、悪魔呼ばわりされる。

・ベッドから脚がはみ出してる赤羽。監督「そのまま行きましょう!」

・今朝もジムに行ってきました、筋肉バカの赤楚衛二です。

・赤楚くんずっとくしゃみしてたけどアレルギーか?大丈夫か?

・やたらスカジャン脱いで二の腕見せたがる万丈。しかししばらく見ない間に随分たくましくなったな、万丈の二の腕……!

↑まさかビルドお衣裳で登壇するとは思っていなくて、最後の最後に生で万丈龍我が見られて本当に良い思い出になりました。クローズのときは劇中の衣装ではなかったよね?

武田航平にそそのかされて、仮面ライダークローズの物真似をする犬飼貴丈を物真似する万丈龍我に扮した赤楚衛二


(2部)

・氷室幻徳に扮した水上剣星による「滝川紗羽役の滝裕可里です」

・万丈龍我に扮した赤楚衛二による「桐生戦兎役の犬飼貴丈です。夜は焼肉っしょ~!!!」

↑今年一年、つつがなく生きられるほどのベストマッチ浴びたわ……マジでありがとうね赤楚くん……。

・午前中もジム行ったのでムキムキをアピールしたがる赤楚くん、夏帆ちゃんにムキムキ写真見せつけるもセクハラ扱い。だが、犬飼貴丈も海をバックに上半身脱いで筋肉アピールしている写真を剣星さんに送りつけている事実を武田航平に暴露される。このベストマッチは……!!!

・赤楚くんから「新宿ロケット(新宿スワン下町ロケット)」呼ばわりされているけっこう汚れた作業着な越智くん

・オフでも仲良しな話を聞かれて、マイクを通さず悩んでたら航平さんから「マイク通して!」言われる赤楚くん、悩んだ末に「航平さんとIKEAに行きました。電球買ってもらいました!」



私が思う、とにかく桐生戦兎が桐生戦兎らしかった名場面集(おまけ)


(ネビュラガス注入されたがる内海)
戦兎「ネビュラガスあとひとりぶんしかないんですけど」
万丈「(筋トレしながら)やめといたほうがいいと思うけどー?(ジト目)」
戦兎「同感だ」

↑登場して一発目がジト目で筋トレの万丈、はちゃめちゃにかわいい。ふたりとしてはやっぱり、記憶を戻さないほうが幸せだって思っているのかも?

↑って言うわりにはネビュラガス注入棺桶バッチリ用意している辺り、めちゃくちゃに桐生戦兎じゃない……?


(新たなる敵の出現!)
(変身キャンセルされるベスマ!)
(万丈が生身でボトル振って敵に挑む!)
(も、吹っ飛ばされ倉庫の壁に激突!)
戦兎「ばんじょ……っ!!!」
(攻撃受ける戦兎!)
(ハザードトリガーをポロリする!)

↑何度見たことか、こういうの、何度見たことか!


(一海が美空にフラれたと聞いて、)
赤羽「やめろ、いまカシラは美空とかみーたんとか聞いただけで泣いちゃうんだ!」
戦兎「(一海の耳元で)美空美空美空美空美空美空……」
一海「(チーン)(ゴーン)(鐘の音)」
戦兎「(満足そうに)さ、真面目に考えますか」

↑真面目な話に戻るときの“伸び”具合いが最っ高に桐生戦兎。


(一海に地図を描いて渡す桐生戦兎)
(内容はシンプルに以下の通りである)

□←ココ

(~適当な道のり~)

□←今

↑雑っ!!!!!笑


(万丈の寝ているソファーの脚を蹴り続けながら)
戦兎「おい起きろ。早く起きろ、筋肉バカ」
万丈「んなっ、俺は筋肉バカじゃねえ、プロテインの貴公子(バサッ)万丈龍我だっ!(いい笑顔)」
戦兎「気が済んだ?(首根っこひっ掴んで連行する)」
万丈「おお~、戦兎(安心しきったムニャ声)。どこ行くんだよ」
戦兎「うるせーな(アドリブ?)」

↑ベストオブ戦兎と万丈シーン。うるせーな笑。

↑ただのいつもの軽口なんだけど、変身不可な万丈を人質にされてしまわないよう、一緒に行動させているのだと思うと、ちょっと見方が変わります。


(葛城巧のところへ万丈を連れていく戦兎)
万丈「ここどこだよ?」
戦兎「地球(マジなトーンで)」


(傷ついて寝かされた三羽を前に物言わぬ一海に、新アイテム持ってきて、)
戦兎「すっごいでしょ、さいっこーでしょ、天才でしょおおお???」
一海「……」
戦兎「なんて、な。まだ完成していない」

↑ここからガチな曇りトーンで一海に三羽を犠牲にすれば新アイテム創れる話をするんだけど、この時点で既に、三羽の命には無関係とわかっていたのであれば、これは芝居だということになって戦兎めっちゃマッドだし、この時点では三羽が元気になるかマジでわからなかったのだとすれば、強行した戦兎めっちゃマッドだということになるので、どっちにしろ桐生戦兎、さすがデビルドッグ。悪魔の科学者である。


(ネビュラ浸けした内海を回収しに帰って、)
内海「記憶が戻ったぞぉおおお↑↑↑。それにしてもずいぶん長いこと寝かせたな」
戦兎「(ドン引きしつつ)すみませんすっかり忘れてました……。そんなことより、大変なんです。内海さん、一緒に戦ってくれませんか」
内海「ふっ、愚問だな」


(三羽は新アイテム開発のため犠牲に……と思ったらめちゃくちゃ元気に生きていた)
赤羽「そういや桐生戦兎が言ってたな。(三羽は)死んだと思わせておいたほうが、感情がたかぶってハザードレベルが上がるって」
一海「……悪魔の科学者がぁあああ!!!」

(↑の出来事に対して、)
戦兎「わかってないなぁ~、それくらい、扱うのが難しいアイテムだってことでしょうが(楽しそう)」


(葛城巧が忍と和解したと聞いて、)
戦兎「よかったあ、やっぱ親子は仲良くないと!(クシャッと笑う)」
万丈「……戦兎(そんな戦兎を見て少し笑う)」


桐生戦兎って、

・いたずら大好き
・おどける、煽る、容赦ない
・反応に困るギャグを飛ばす
・本当のことは言わない
・悪魔と呼ばれてもかまわない

と、自分は思うんですけれども、犬飼貴丈との融合係数高すぎて驚く。ていうかシリアス場面を抜かせば、あんなのほとんどそのまま犬飼くんなのではなかろうか。本編主人公と思えぬほどの厚待遇で、めちゃくちゃ活躍してたよ。

そして今回の万丈龍我、しばらく見ない間に、ヒトに飼われたポケモンみたいになっちゃってて、おまえめっちゃくちゃ戦兎のことが好きだな!?、好きだなっつうか、完全に、なついてるな!!?ってのが伝わってきて最高&最高でした。マジで戦兎くんへ対する信頼値爆上がりしてない?、なにがあったの?笑、寝起きで「戦兎ぉ?」つって戦兎に首根っこひっ掴まれて連れていかれるのは反則だわ。あれ絶対、葛城巧のラボまで2ケツして行ったろ。

とにかく、ひさしぶりにベストマッチの新規画が観られただけで大満足。ちょろいオタク?、なんとでも言うがいいさ。自分なんて所詮ベストマッチのオタク、ベストマッチがイイ感じにベストマッチしてくれていれば、矛盾も粗も気にならないのです。クローズVシネも先行上映で観たから言えるけれど、需要と供給ってのはなぁ、たぶん、グリスVシネの全部詰め込みました感、みたいなことを言うんだよ。2年間、ずっと仲良く喧嘩してくれてほんとありがとうな戦兎と万丈。ふたりの関係性に元気をもらって救われました。あいつらが今日もどこかで地球守ってるから、自分も頑張ろうって思えたよ!


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これでいよいよ残すところは小説版ビルドのみ。あの地球外生命体との決着は着くのか、それともまさかの完全放置か?*9

仮面ライダービルド、まだまだ目が離せません。

*1:その後の犬飼くんトークショーにて「さあ、トークショーを始めようか」する実質桐生戦兎を見たことが、本当の本当に最後のイベントになりました。

*2:特に舞台の詭弁・走れメロスが好きすぎて、観に行ったうえ、円盤まで買った。

*3:実質、武田航平武田航平による武田航平のためのVシネ(もちろんご本人としては“主役は貴丈”の姿勢を崩さないので大変立派、)であるため、グリスVシネが“仮面ライダービルド”という作品全体の幕引きとして妥当かどうかは、正直、判断が難しいところではある。

*4:描写としてはツンからのデレで、前作ヒロインとほぼ同じはずなのに、本編の積み重ねからバックボーンがしっかりわかっているのと、暴力をふるわないのとでかなり魅力的に見えました。

*5:一応、一海の台詞で名前だけは出てきたものの、本体は登場しないし本筋にも全く絡まないので、やっぱり登場させずとも話はまわる。

*6:と書いてから、最上魁星の存在に気づいた。でもあの人も結局、新世界創造のヒント与えてくれた、みたいなもんだからなあ。

*7:大人の事情の匂いがするぞ。

*8:仮面ライダービルド 第4話「証言はゼロになる」

*9:グリスVシネが案外まるっと上手く収まったから、これ以上、変なサービス精神を起こして、エボルトが新世界で暴れたり味方面したり、戦兎くんが謎の新ヒロインと恋に落ちたり、Vシネ編の出来事も無かったことにしたり、わけわからん展開にするくらいなら、もう、小説版ではかき回さずに、そっとしておいてあげてください……という感情になりつつも、ある苦笑。