そのうち笑い話になるさ

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バディものとしての仮面ライダービルド 感想

Be The One(DVD付)

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平成最後の夜には仮面ライダービルド最終回のラストシーンを流し「戦兎!→♪テーレーレレレー→万丈?」と、Be The OneをBGMにしながら令和を迎えてやりました。そしてソッコー寝ました。引き続き元気にビルドロスです。よろしくお願いします。

GWは平成ライダー200話一挙放送を見届け、犬飼くんのドラマも見届け、そうこうしているうちに平成ジェネレーションズFOREVER円盤の発送通知が来たので、手元へ届く前に改めて、戦兎と万丈の好きなところをまとめておきたいと思います。

めちゃくちゃネタバレするからよろしくね。




戦兎と万丈の何が好きって、その、あまりにも酷な設定が大好き。

そもそも、桐生戦兎=仮面ライダービルドは敵の地球外生命体によって創り出された偽りのヒーローであります。その正体は、記憶を消され、顔を変えられた葛城巧。かつて、悪魔の科学者と呼ばれ、危険な人体実験を強行し、戦争の火種を撒いた若き天才物理学者です。しかし巧の本性は、科学の力でラブ&ピースを実現させようとする善良な市民でした。人々を好戦的な気質に変えるパンドラボックスの光を浴びたことで悪魔に魂を捧げてしまったのです。

父である葛城忍が残した研究データからビルドドライバーを完成させた巧は仮面ライダーのチカラ(?)で正気を取り戻し、正義感から、真の敵である地球外生命体を、その半身たる万丈龍我もろとも倒そうとします。ところが返り討ちに合い、桐生戦兎として、何も知らないまま偽りの、理想のヒーローを演じていくことになります。

それから一年後、戦兎は、葛城巧を殺した罪で服役していた脱獄犯である万丈龍我を救い、一緒に逃亡する道を選びます。敵は、戦兎と万丈を引き会わせ、人間の情を利用して、互いが互いを守ろうとすることで強くなるように仕向けたのでした。敵の真の目的は、戦兎が発明に使う科学力を利用し、23年前、万丈に入り込んだ己の半身を、自らと融合できるまでに鍛え上げ、肉体を乗っ取ることで強大な力を得て、地球という星を狩ることにありました。

つまり、

・平和のため万丈を殺そうとした葛城巧
・巧を殺した罪(冤罪)を負った万丈龍我
・万丈の無実を信じて救った桐生戦兎
・戦兎のため戦いに身を投じる万丈龍我

と、こんなこっっっ恥ずかしい設定を一年間もの長きに渡り実写ドラマで真面目にやるってそうそうないんじゃないかな、みたいな、ロマンチックてんこ盛り設定なわけです。普通のドラマでは、あまりに都合よすぎる記憶改編だとか顔面書き換えだとか、なかなか、やりたくても、リアリティーに欠けすぎて及び腰になるじゃありませんか。確かにこれは、平成ライダーというごった煮コンテンツだからこそ許されるなんでもアリ感だったなと思います。(昔の土曜9時でもやりそうだけど。)

戦兎を“俺にとっての正義のヒーロー”と信じ、戦兎の笑顔を取り戻すため、強くなる万丈。万丈を“俺の大事な相棒なんだよ”と評し、平和を脅かす危険性も承知の上で、それでも万丈を救いに跳ぶ戦兎。

しかし、そもそもふたりの関係性を仕込んだのが諸悪の根元であるというやりきれなさだとか、敵の想定を上回る関係性を創って奇跡を起こしてやっつけるカタルシスだとか、もろもろ引っくるめ、戦兎と万丈の関係性にまつわる描写に関してだけ言うならば、もう余裕で100億点あげられるもの、仮面ライダービルド。

万丈が戦兎の名前を呼んで駆け寄るまでに6週使うんだぜ。戦兎が万丈を救う→万丈が強くなって戦兎を救う→戦兎が強くなって万丈を……のエンドレスループを、丸一年かけて見続けさせられるんだぜ。そんな贅沢な時間の使い方するバディもの、なかなか見ませんもの。しかもその話をまとめたのは他の誰でもない、桐生戦兎その人なんだぜ。クドくてもいい。私は戦兎と万丈の関係性が大好きだ。確かに粗も多いけど、そこだけに焦点を絞って見れば最高の長編ドラマだったんだ。

バディものといえばふたりでひとりの仮面ライダーという絶対的な先駆者がいるのに、むしろよくここまでやりきった、そんな気持ちでいっぱいになります。むちゃくちゃ重たい設定を付与されておきながら、当人たちは顔を合わせりゃ軽口叩き合いまくってるところがとにかく最高。本人の目の前で“万丈(戦兎)が大事な相棒であること”を認めたら死ぬ呪いにでもかかってるんじゃないかというほど、全っ然素直じゃない。そこがたまらない。

戦兎と万丈の関係もとい、巧と万丈の関係が解れていくところも大好きです。万丈を危険分子としか捉えられず、覚醒前に倒すべきと主張し、実行しようとした巧が、その万丈に救われて、戦兎として生きた時間を取り戻す。万丈も当初は、恋人が死ぬ契機を与えた悪魔だと巧を罵っていましたが、戦兎と過ごしていくなかで少しずつ感情が変わり、いざ、戦兎の顔をした葛城巧と対峙したときに、悲しそうな様子を見せるだけで特に巧自身を責めなかったのがもうほんと好きすぎて。

(その後の劇場版であっさり地球外生命体の配下と化した万丈を見て、やっぱり倒すべき!と主張する巧、それに対して戦兎が万丈は大事な相棒だお前にはわからない、的な会話をするのがまた最高におもしろかった。戦兎と巧はこの時点で同一人物なのだけれど、万丈への熱い想いが複雑すぎるよ!)

だから、ジオウ1話2話の、桐生戦兎がいない時間軸で、葛城巧が万丈龍我と友達になる平行世界も、それはそれで好きなんですよね。

さらに言及させてもらうなら、あのふたりを犬飼&赤楚コンビが演じきったところにも、唯一無二の魅力が感じられてなりません。

・戦兎は万丈より3つ年齢が上のおっさん扱い
・生い立ちからすれば戦兎は年下とも言える
・犬飼と赤楚は同じ年の生まれ
・学年では赤楚のほうが1つ上
・あっちゃん(愛称)⇔赤楚(呼び捨て)の間柄
・赤楚は他作品ライダーでも主人公を守っていた(万丈の相棒は戦兎のみに限らないのではないか、という不安感を煽る絶妙な経歴)

マジで関係性が二重にも三重にも倒錯していて、このふたりを選んでバディに仕込んでくれた地球外生命体だか大森Pだか、ほんとマジでサンキューな。


だからこそ、ベストマッチを軽んじられちゃうと、ふざっけんな(ベスマ過激派)と思いもするわけなのだけれど!
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エボルト(ブラッドスターク)という地球外生命体は、アーツ買うほど大好きで、全てを掌握してるゲームメイカーっぷりと絶対死なないしぶとさが大っ嫌いなんですけれども笑、そもそも彼が地球に飛来しなければ、桐生戦兎も、茶髪の万丈龍我も存在せず、ある意味ではふたりを育てた父親そのものであり、茶髪万丈そのものであり、人間という愚かで滑稽な生物を愛してしまったヘンテコ宇宙人なので、評価に困るよなあと毎度のことながら思います。

なんだかんだ、戦兎のことも万丈のことも好きだったんだろうと思うのよね。エボルトは。結局、父殺しの筋書きに帰着する辺りも好きですよ、ビルド。いやあ、もうね、エボルトと戦兎と巧と万丈の複雑極まりない愛憎渦巻く関係性についてだったら、未だに、余裕で、三日三晩「語り明かそうか」できますねぼかぁ。

その、年齢差や性格の違いもあいまって、戦兎と万丈は友達同士というより、大型犬とその飼い主もとい、デジモンとテイマーの結びつきに似ているような気がします。名前を呼んで以降は、どのような状況でも戦兎を鼓舞するヒーローであり続けてくれた万丈クローズは、視聴者にとっても、また桐生戦兎にとっても、パンドラの箱の底に残った最後の希望でした。負けが多かろうが本当にカッコ良い!

個人的には、桐生戦兎が万丈龍我の前で素直になったら(わかりやすく言うなら“龍我”呼びをしたら、)それはビルドという物語が終わるときだと思っているので、ふたりにはいつまでも素直じゃない他愛ない口喧嘩をしていてほしい。

戦兎の発明品を、万丈がフリマで売り捌くトンチキ清貧倉庫暮らしを続けながら、マシンビルダーでタンデム走行して、時には後輩のピンチに駆けつけ颯爽と救い、たまの贅沢でラーメン屋に入り、肩を並べてラーメンすすっていてほしいのです。小説版とグリスVシネはどう転ぶかな。楽しみですね。


それにしても、ガッキーを崇拝して待受にする会社員だとか、どこぞの地下アイドルファンだとか、先輩刑事を弄るときだけ生き生きする気だるい後輩刑事だとか、顔は綺麗なのに様子がおかしいクセ強すぎなイケメンをやらせるとほんと見事なので、朝ドラみたいな爽やかメジャー路線とはまた別に、そっち路線も定期的に演じてほしいなあと思っています、がんばれ犬飼くん。赤楚くんも応援してるよ!


似たような記事いっぱい書いてる。懲りない。
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