そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

映画 GOZEN-純恋の剣- 公開記念舞台挨拶 感想

ビルド代表戦の平行世界こと、映画GOZEN。

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クローズVシネのとき、これでほんとに最後の祭りだと思っていたのですが、ご縁があって公開記念舞台挨拶に行ってきました。犬飼武田の一騎討ち。実質、万丈が来ない代表戦。とあらば、名もなきビルドファンとして、見届けないわけには参りません。じっくり二度、見届けまして、徒然なるまま感想文など残しておきます。

自分は映画GOZENを「シリアスの皮を被った外連味たっぷりトンチキ映画」と受け取ったので、シリアスに受け取った方とは相容れないと思います。ご注意ください。決して、つまらなかったわけではありません。むしろ東映特撮好きにとっては、かなり楽しめるエンターテイメントになっていたのではないかなと思います。




ムビ×ステ第一弾、東映特撮でおなじみの皆さんがたくさん登場する意欲作。人物造形も内容も、これが非常に歌舞伎的……と言いますか、ある程度のトンチキ演出は狙ってわざとやっているのだろうと思います。若干、響鬼のOPを思い出させるような。おもしろい試みだったなあ。矢崎広けっこう好きなので、舞台のほうもちょっと観に行きたいかも。

実は、観賞前かなり心配していました。歴史ものも恋愛ものも、大の苦手なんだもの……しかし、いざ蓋を開けてみたら、どちらも好んで観に行くわけではない自分のような人間でも、最後まで愉快に観られたのはさすがだったなと思います(というか怒濤の追いトンチキに、笑いが止まらなかった。劇場だから我慢したけど!)


・あまりにも目立ちすぎる隠密の人たち。時代劇でよく見る謎の犬笛みたいなやつピーピー吹き鳴らすんだけれども、あれだけ周りに誰もいないところで吹いたら普通にバレるんじゃないだろうか。ていうか町の者が少なすぎやしないかい。予算よ……。

・そもそもGOZEN様っつたらハリケンジャーしか思い浮かばない。

・最も印象に残ったセリフ「よせやい」

・次点で「ちちくりあっていたとはなぁ」

・猿渡一海と西都の御堂首相が、オンナを人質に仕掛ける代表戦。さすがに犬飼武田の息の合った対決場面はビルドを彷彿とさせ、めちゃくちゃにテンションが上がりました。犬飼くん剣さばきが非常に美しく撮られておりましたし、さっと柵を飛び越える姿がとにかくカッコよかった。惚れ直しました。

・しかし犬飼くんが最初から最後までずーーーーーーっと曇ってる映画だった、マジで一瞬しか笑わないのであの伝説の犬飼貴丈曇らせ映画ことビーザワンより曇っていた、ビーザワンとGOZENで二大犬飼貴丈曇らせ映画ではあるまいか。凜ノ介様が大量の雨に打たれなかったのだけが心残りである。

・場面ごとに襲いかかる数多のトンチキを、犬飼の顔が良いという力業ですべて説き伏せていくようなものスゴい内容の映画だった。犬飼くんファンは観たほうが絶対良い、良いだろうけど他はちょっとわからん。ある意味武田さんファンや久保田兄さんファンも観たほうが良いかも。

・小野塚くん殺られた凜ノ介様が背中ぶるぶる震わせながら「こんなことはこれまでの自分ならしなかったのに」って情け容赦なく町井さんたちぶった斬るのは涙が出るほどカッコ良かったですよ、あの場面はほんと、仮面ライダービルドでは絶対見られないだろうから、時代劇になった意味があった。

・どんだけ犬飼くんをカッコ良く見せることに心血注いどるんだよとツッコミ入れざるをえない。

・八重様と出会うときの謎照明は仕方がないとしても(あまりに古典的な演出だが笑ってはいけない、)凜ノ介様が金庫をピッキングするくだりはさすがにギャグだよね……えっ、狙ってはいない?、謎の犬笛だのピッキングだの時間差で斬られたことに気づく柳の木だの、どんなに荒唐無稽でトンチキなことやっていても、犬飼氏が純度100%のシリアス顔で演じられているため非常に高度なギャグのようだった。最高だ。

・「目の覚めない明日……」って言いながらうっすら涙目になっている凜ノ介様な辺り、さすがすぎるぜ犬飼くん。全編、桐生戦兎の温度感です。言うて、ビルドもやってることトンチキなわりに純度100%のシリアス顔、みたいなところあったからなんというかわりと懐かしくって、ふふってなりました。

・ここでもひたすら犬飼くんを立てる悪役に徹している武田航平が、溢れんばかりな漢気で素晴らしすぎた。いややってることは最低最悪な変態だけど。猿渡一海とは異なるセクシーど変態。東映特撮的に言えば、ネガ音也に近いかなぁ?

・犬飼くんが斬られる刹那に感じるアマゾンズみ。犬飼くんも武田さんも良き死にっぷりだったよ、一歩間違っていたらビルドの世界もこういう結果になっていたかもしれないんだよな……。

・しかし凜ノ介様の必殺技を受けて数秒しかもたなかった小者たちに比べて、数分間動いて喋って事切れた甚八郎様、さすがはダークキバとグリスブリザードで鍛えたお身体である。ひょっとしたら凜ノ介様のほうで、死ぬまでの時間を調節できるのかもしれないけれども。

・映画GOZENで唯一のまともな人、貴利矢さんこと小野塚くんが万丈ポジションか……と思っていたらグラファイト町井さん演じる右京の手で唐突に殺されてしまうの、悲しかったなあ。小者も小者な右京の必殺技、町井さんご本人もネタにしていたくらい抜群のトンチキで、個人的には大好きです。

菊地美香菊地美香に見えなかった、全く気づかなかったレベル。ほんとスゴい。

・この物語のMVPは多分、きぬさんだと思う。ていうか、大島さんは自分が物心ついた古の時代から若者を見守る寮母さんみたいな役を演じられていてマジですげぇよな……と、謎の感動を覚えた。

・エックストレインゴールドエックストレインシルバーみたいな刀を携えた高尾ノエルの贅沢な無駄遣い。あの刀でいつ「エエエエーックス」をやるのだろうかとヒヤヒヤした。いやパルクールしないんかーい、舞台組は舞台で殺陣を披露するのだろうと思うのだけれど、いくらなんでも舞台組の戦闘場面、手を抜きすぎでは……?

・秒殺のマジイエロー。いくらなんでも。退場が早すぎてギャグみたいだった。むしろかけられてその辺に放置されてるのなんかもシュールすぎて!

・胸にしこりのある病におかされている、アヘンで痛みをごまかすしかない重症設定な八重様。のわりにめっちゃ顔色良くってめっちゃ元気、と言ってはいけない。優希さんがジャックポッドだのノーパンだの適当に筆記受かっただの、舞台挨拶でカッ飛ばしていてマネージャーさんからアウトをもらっており大変好感が持てました。絵面が美しくて時代劇が似合う良きヒロインだったなあ。嗅覚鋭すぎない?

・あーはいはいロミジュリねロミオとジュリエットよね……つって気を抜いていたこちらの腹筋を、ラスト10分で全力で殴りに来る久保田のお医者さん。対する犬飼くんも「戦わないわけにはいかない」つって、あの予告のカッコいいセリフ、ここで言うんかーい!!!笑

・お医者さんとの戦いのくだり、要る……?、まあね犬飼くんめちゃくちゃに美しかったからね魔性だよね仕方がないね。2回目はそういう目で見てるんだなって、こちらもそういう目で見ることができたので、かなり面白かった。それはそうと犬飼くんキスシーンがエロくて良かったぜ!

・間違えた刀◯男子調なウィザードのソラくん改め前山さん、なぜか急にマスク外して床をギッシギッシ言わせながら這い出てくるところは、ひょっとしたら笑ってはいけなかったのだろうか。

・ああああそうかそうかどこかで見たことがあると思ったらあれだ、パラダイスロストだ。

・小野塚くんの役は赤楚くんでもよかったろうし、久保田さんの役は剣星さんでもよかったろうに……と思いながら途中まで見ていたのだけれど、あれはダメだ絶対ダメだ、むしろ、赤楚水上が出てこなかったところにビルドファンへの優しさすら感じてしまったわ。

・時代劇に見せかけたトンチキ東映特撮、刀◯乱舞もといゲキ×シネを東映特撮でやってみました、といったところで、本当はシリアスに見なければならない作品なのだろうけれども、個人的には東映特撮ファンに向けた高度な喜劇に見えたので、ただの時代劇や恋愛ものが苦手な身としても当初の想定よりは断然楽しむことができました。これくらいトンチキに振りきってくれたら、全方位にツッコミ入れつつ楽しめるんだけどなあ。

舞台挨拶に関しては、もう、犬飼くん武田さんのお元気そうな姿を拝見できただけでお腹いっぱいでございました、ありがとうございました。波岡さんと小野塚くんがめちゃくちゃMC回せるひとなので、かなり静かでしたね犬飼くん。小野塚くんがオチ担当していたためか、あの武田航平すら発言がめちゃくちゃまともだった(武田さんをなんだと思っているのか。笑)、またいつかお花男子で共演して、犬飼くんの小ボケといじられつつツッコミ入れる武田さんを見せてほしいものです。


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入場者特典のブロマイドをもらいました。
犬飼くんと犬飼くん越しの小野塚くんでした。
これだけでもう、自分の仕事は終わったというか、行ったかいがありました……(ちょろい!)


なにはともあれ、ビルドファンとしてはグリスVシネが待ち遠しい季節となりましたね。真冬に(自分のなかで)大波乱を巻き起こしたクローズVシネから早半年、今となっては「ああ、そんなこともあったよね」と、さざ波のように穏やかな感想が出てくるようになったビルド新世界。これまでの情報によれば、人間たちの中から、ライダーシステムを悪用しようとする悪者が出てくるようですが、そういう設定でいけるのなら最初っからそういう路線で行ってくれよ~と思っています。別にエボさんを新世界に戻さずともよかったじゃないの*1

同時上映「ドル推し」も気になるところ、石動美空ちゃんが正ヒロインなのは、好感度高いですねえ。戦兎くん、万丈(黒髪)、幻さん(髭なし)、葛城巧(髭あり)、紗羽さんに内海といったレギュラー陣総出演なうえ、葛城忍ですよ葛城忍。私はもうビルド夏映画以来、忍パパファンなのだよ。嬉しいなよく集めたなっていうか、これだけ集めきれるうちに、頼むから、映像は映像でちゃんと幕引きさせてやっておくれよビルド新世界……エボルトとの決着はもう、小説版で仕方がないと思ってる!!!

*1:と言いながら仮面ライダーエボルのアーツ3体予約してしまったぜ。わざわざ復活させて逃がした経緯が好きになれないのであって、エボルトそのものがキライなわけではない。