そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

平成ジェネレーションズFOREVER 戦兎と万丈に係る考察

ひさしぶりにビルド組を観られるってんで、張りきって初日初回に劇場へ行って参りました。

ここのところ特撮アカウントをフォローしてもらう機会も多く、前提として簡単に自己紹介しますと、平成ライダーにはクウガとアギトの頃から触れてきたけれども一時期離れ、大人になってからブレイドにとち狂い、そこから全シリーズ制覇して、好きな作品も苦手な作品もあります。現在は、ただただ仮面ライダービルドが好きなTTFC会員のひとです。

概ねビルド勢、もとい戦兎と万丈の関係性に大注目した感想を書いております。

さて平ジェネFo、個人的な印象としては、

・3割ビルド(戦兎と万丈それからカズミン)
・3割電王(フータロスとU良太郎)
・2割ジオウ(A判定ソウゴと3点ツクヨミゲイツ)
・1割クウガとかWとかティー
・1割そのほかライダーの皆さん

平成ジェネレーションズ集大成、と見せかけた、ジオウビルド電王主体の、良い意味でのお祭り映画。クウガ*1とW*2は豪華なおまけかな。クウガのバイクアクションがとってもカッコ良かった。あれにもっと時間割いてくれてもうれしかったなあ。

ティードは言動イッちゃってる感を出しつつも、律儀に昭和の怪人みたいな悪役ムーヴ*3してくれていて、実にナイスな悪役ぶりでした。超強敵感が溢れる登場と変身中のビルドの時間を止めるチート描写にどうなることかと思いましたが、戦兎を洗脳したかと思いきやできてませんでしたなくだりで一気に「あ、これは勝てそう」みたいな気持ちになっちゃったけど。

どうして戦兎が洗脳を免れたか、戦兎と万丈は何故記憶改変を免れたのか、その辺りは謎でした。先輩補正かしら。結局、平成ライダーアンチとして滅ぼして俺が成り代わるよ、みたいなことだったんですかね、いまいちティードの目的はよくわからなかったけれども。よくわからなかったと言えば絶対悪者だと思ってたフータロスが最初から最後までめっちゃいいヤツだったのびっくりした、ただの通りすがりのお節介イマジンじゃないか。

平成ライダーを知らなくても後半の怒濤の主役ライダーラッシュで楽しめるだろうし、電王とビルドの物語やキャラクターをしっかり把握できていれば、もっともっと楽しめる作品なのではないかなという気がしました。電王に思い入れのない自分ですら、モモタロスが、一瞬だけウラタロスの抜けた良太郎に向けて放った言葉には(特別な思いがあるのだろうな……)って感じでかなりグッときちゃったぜ。

電王の「お前を忘れるかよ」に象徴される“誰かが覚えている限りライダーは存在することができる”という世界観が、ビルドの「俺たちはここにいる」に象徴される“相棒が覚えている限りビルドの物語は虚構にはならない”という絶対性を後押しして、戦兎がソウゴにそれを教え、ソウゴが一般視聴者のアタルへと伝えていく。この流れがとても、綺麗にハマったなぁと思います。お見事です。

本編であまりにしつこくやられすぎたおかげでお前は虚構だと言われても絶対に動じなくなった桐生戦兎が、ジオウ直前のライダーで良かったというか、戦兎先輩だからこそ「仮面ライダーは虚構なのか」というテーマが際立ったというか。私は好きでした、戦兎が「言ってろ」ってビルドのソフビをぽいっと投げたところ。桐生戦兎は自分という存在が創りものであることを既に、一年かけて叩き込まれ、受け入れていますから。虚構だからとシンゴや一海を見捨てたアタルへ静かに怒るのは、先輩として最高にカッコよかった。

翔太郎&フィリップの客演が叶ったなら、Wから続くバディものの真髄を、戦兎と万丈を経由して、ソウゴとゲイツに伝える展開があったのかも……。ウォズが全力でフィリップの代打やってて、本来のキャラを出しにくい、損な役回りになっちゃったなという気もしました。3号ライダーの先行お披露目も無かった(個人的にはありがたかった)し。Wウォッチでなぜ元の世界に戻れるのか、そもそもなぜウォッチ持ったままでいたのかわからない。実に難解。

真司の声がやたら高く聴こえたんだけれど再録だったんですねえ、翔一くんも気づかないくらい違和感なかったなあ。タケル殿皆勤賞おめでとうありがとう!

多少のガバもおいしくいただく信条で、勝手に脳内補完してしまうタイプなもので物語の粗なんてのは別に気にしないけれど、とにかく気になることが、ただひとつ。自分の中に残る古のブレイドオタクが「……またまた黄色じゃねえか!!!」と叫び続けていたことは否めません。パンフレットの写真まで黄色かったもの。全編黄色ならまだしも、バイクアクション用スーツは通常色なの、誰か頼むからどうにかしてくれよ、融合係数上がりすぎて年中顔だけジャックフォームなの、どうしたって気になっちゃうよ……もー。次回の客演に期待。

レアキャラの紅音也と間違われる猿渡一海、美空の止まれ攻撃と忍者アピール(あの娘は新世界でもアイドル業してるんだろうか)、記憶が飛んでひげ呼ばわりにキレる氷室幻徳と、ビルド勢、出番は少なめながら地味においしくいただきました。まぁ、立場上早々に離脱する幻さんと、記憶を無くしアタルを突き飛ばして逃げるカズミンは少々残念でしたが、展開上仕方がないね。美空を助けに来るところはあい変わらずべらぼうにカッコよかったし頼りがいありまくりだったから良し!

なにより、みーたんの猿渡一海に対する扱いの雑さがまったく変わらないのが最高。買い物袋ぶら下げてナシタ?に戻ってきた美空ちゃん、めっちゃ可愛かったよちゃんとヒロインしてたよ!(超全集でもヒロインの座を万丈に奪われたと嘆いてて不憫!笑)


んで、ようやく本題(!)

仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVERにおける桐生戦兎と万丈龍我に係る考察

武藤脚本でない、新世界の戦兎と万丈。ひょっとしたらジオウ本編に登場した巧と万丈のその後なのかもしれない。戦兎はティードに洗脳され、万丈はゲイツのマジーンに乗る。映画公開前、我々に与えられた情報は、せいぜいそんなところでした。

ところが、蓋を開けてみたらもう完全なる新世界戦兎と万丈。私たちが一年通して見てきた戦兎と万丈でした。杞憂だったなあ。ていうかさぁ、こんなにも万丈が、宣伝面でも大活躍するとは思わなかったもんなあ、だって昨年の外科医やパラドはこんなにも宣伝インタビューに関わってなかった気がする。トリロジーあったから?、いやしかし、その前の年のマコト兄ちゃんもほとんど印象残ってないもんなあ。さすがはベストマッチ。戦兎を呼ぶなら万丈だって呼ばれる摂理。

昨年末の平ジェネFiにおける「科学の未来を信じる戦兎と、万丈の成長譚」や、夏映画の「戦兎が戦う理由や、戦兎と万丈の絆」とは、また少し異なる角度から、仮面ライダービルドという物語の核に触れていて面白かったです。いやー、思い出すよね本編。お前は俺に創られた、偽りのヒーローだったんだよぉ!!!!(某地球外生命体)

現実から目をそむけ、虚構のライダー世界に逃げ込もうとしたアタルを叱責し、自身の存在が虚構であると指摘され動揺するソウゴに助言する桐生戦兎。どちらもここ一年で経験して乗り越えた障壁だったからこそ、説得力が違います。いやー、戦績はともかく強そうだった桐生戦兎。最高に頼れる先輩ムーヴが似合ってた。そのぶん落ち着いちゃってて(若干、葛城入ってたよね?)、髪ぴょこからのひゃっほほほほひゃっほいが懐かしくもあるのだけれど。慌てるとヘンなコントじみた走り方するのは変わらず安心しました。フフってなった。

天才らしからぬ作戦と、作戦名にまつわる万丈とのやり取りに若干の違和感はありましたが、んなもんすべて吹き飛ばすラストの展開でもうどうでもよくなっちゃいました(ちょろい)。これは、ゴライダー剣崎を最高に熱い設定で書いてくれた下山脚本だったわ。疑って申し訳ない。逆にこんな扱いよくしてもらっちゃってよかったのかしら、ヘタしたらジオウ組より断然おいしかったと思うのだけれども。

前年の冬映画は万丈別世界に飛ばされるし、夏映画は万丈洗脳されるしで、実はそんなに、スクリーンでビルドとクローズが並び立って共闘することなかったんですよね。新世界でもなんの制限もなくチャージにもマグマにもなれるなら、洗脳戦兎がタンクタンク持ち出してきた時点で使えばよかったのにと思ったけれど、実は万丈、第六感で戦兎の洗脳が嘘と見抜いて使わなかった、だとしたらスゴい。それはそれとしてグレートクローズとは何だったのか。

桐生戦兎が心折れず新世界に存在できるのは、万丈龍我が変わらず隣にいてくれるからなのだなって、映像により証明された感じがありました。パンフDVDで万丈がNGを出していた屋上での、戦兎と万丈の何気ない会話。旧世界で戦兎が起こした行動を、万丈が(無意識に)おさらいして言葉にする場面。新世界でもああやって、戦兎が顔をしかめたときは、万丈がバカっぽく戦兎のこと認めて、励ましてやっているんだな。

いやはやそれにしても、本編最終話から約4ヶ月、いよいよ明かされた新世界戦兎と万丈の新生活。期待と不安でいっぱいだったけれど、蓋を開けてみたら、なんにも変わらずふたりで一緒にふらふらしてて、マシンビルダー2ケツしてイチャイチャしてただけ、というブレのなさ。ちょっと意味がわからないくらい戦兎と万丈、っていう表現自体も、ちょっと意味がわからないですね笑。

ていうか、万丈の反応からするに、新世界の戦兎と万丈はソウゴたちと初めて出会った(=ジオウ次元にいた巧氏万丈氏とは別人)のだろうか。いくら万丈がバカとはいえ、数ヶ月前に出会ったあの印象強い未来小僧を忘れてるってこともないだろうし。こっちは向こうを知らないけれど、向こうはこっちを知ってる状況に、ああはいはいひさしぶり!みたいな反応してくれる万丈ってやっぱいいヤツだよね。

万丈いいヤツだなと言えば、戦兎が(ひょっとすると翔太郎の代打も兼ねて?)物語の進行に関わるため、幻さんと話してる暇もなかったり、そもそも美空と会えなかったり、大ケガのカズミンを公園に放置せねばならなかったりするのですが、その度に万丈が甲斐甲斐しくフォローしていくので大変健気に見えました。万丈龍我、主役が忙しいときの小回りの効き方ったらピカイチ。

まるでファイナルステージでの発言*4を実行するかのごとく、時間改変による記憶消失が効かない理由を「バカだから」で済まされる男、万丈龍我。世界は理屈じゃないんだと、いよいよバカの隣で力説する天才物理学者、桐生戦兎。なんだか結局、この映画のビルドパートって、戦兎くんによる惚気話に付き合わされただけだった気がするけれども、んなこたどうだっていいや。尊い……。

最後、戦兎がソウゴに「現実とか虚構とかどうでもいい、誰かひとりの記憶のなかにでも居られればそれでいい」って告げて、離れたところでマシンビルダー見ながら待ってる万丈(しかも背中)(重要)がくしゃみするのは、反則並みのエモだった。

ライダー史に残る激重案件になってしまうぞ大丈夫か……と思ったけれど、そもそも戦兎は(黒髪)万丈含めたすべての人の記憶から消えることを一度は覚悟(経験)したわけで、そんな中で迎えたビルド本編最終話、いつもの万丈が現れていつもと同じように自分を覚えていてくれたものだから、「誰かひとり(万丈)の記憶に残れたなら、それでいいんだ」は、見返りを求めないヒーロー桐生戦兎にとってしてみたら、最高最大の欲張り、だったのかも、しれないね。

しかもだよ、てっきり、そこで終わるものだと思っていたら、エンディングで戦兎がちゃんと万丈のところまで戻って、マシンビルダー2ケツして仲良く喧嘩しながら去るところまで実行するビルドの圧倒的な福利厚生充実感。わかりました。納税します。




専用バイクのくだりは、バイクでヒーローらしく颯爽と去る万丈は気にくわないだとか、単に資金不足だとか、案外もっとさっぱりした理由で創ってないだけだったりして。それもそれで好き笑。総じて平ジェネFo「平成の締めくくりにして、大変よく頑張った平成ライダーメタフィクションといったところでしょうか。観賞後にご飯食べながら、あのライダー懐かしかったねと、誰かと語らいたい楽しい映画です。冬休みの間にもう一度、観に行こうっと。


追記:平ジェネFoの戦兎と万丈は、P陣によればジオウ本編、ビルド本編、どちらとも異なるらしい。



livvvvvve.hateblo.jp
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ビルド感想文シリーズも、残すところVシネクストのみ(小説版が来たらそれも書こう。)はたして、戦兎と万丈は最後の最後まで、イチャイチャエンドを貫くことができるのか。今後とも目が離せません。

*1:2000年の遺跡の場面だけ、取って付けたようにクウガ演出が入るのが面白かった。

*2:そうか、呼べなかったのか……。

*3:特異点とはいえ子どもを拐い、封印装置とかいう昭和テイスト全開な謎設備にぶち込むお約束。子どもを拐うと、なんであんなにも仮面ライダー濃度が増すんだろうねえ。不思議だ。

*4:そう簡単に忘れてたまるかよ。奇跡を起こせるのは、人間の力なんだろ。だったら、俺が必ずお前を探しだす。どこにいてもな。