そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

新・俺たちの旅 Ver.1999 第四話

*第4話*




今週は主に、今この瞬間しか頭にないカースケが大人の男の現実を知り、ちょっとだけ未来を考えるはなし、です。カースケとグズ六さんのケンカを止めるオメダ、ってのがもうこの当時、自分の中での超典型的カミセン構図でした……(私は騙されていたんやで)……やっぱ、男子たるもの拳で語り合わな。ケンカするほど仲が良いってね!

短期バイトに行くカースケとオメダ。サーフボードショップとだんご屋さん、水着のねーちゃんしか頭にないカースケは速攻サーフボードを選択します。が、そこにいたのは無口で職人肌の親父・田所さん。一方、だんごを焼くオメダは女子高生の集団に囲まれおろおろ←この三宅らしからなさが最高。近くに撮影に来たタッキー目当てなはずの女子高生たちからなぜか写真をせがまれ、満更でもありません。

そんな二人のために、ノリコさんが握ってくれたおにぎり取っとくグズ六さん。どケチのナミちゃん(そういや触れてませんでしたが女性陣みんな好きですがナミちゃんが一番好きっす、中谷家母娘とかも好き!)もグズ六さん好きをはぐらかせ、余りものと称した定食持ってくるので修羅場。ちなみにナミちゃんの片思い設定はその後すぐ死に設定になっちゃった気がします。

てめえがモテるのが原因だろうに勝手にハイテンションでぶち切れてカースケとワカメの胸ぐらつかみまくる(オメダにはちょっと優しい)グズ六さんこそマジ、グズ六さんです。こんなん身近に居たら関わっちゃいけない相当めんどくさいタイプの変人です。残念なのにモテモテのグズ六さんはどことなく立ち回りが舞台のひとくさい。(゚ー゚)「俺に惚れちゃったんだろうね!!!」井ノ原タイプのウザさがあります。

(仝_仝:)「どうせ今日も就職先見つかんねえで荒れてるだけなんだよ」
(゚ー゚)「俺がそんなことくらいで荒れるわけないやろ(荒れてる)」
(・△・)「見つかったんですか?」
(゚ー゚)「見つかってへんわ!」
(仝_仝:)「しょーがねーなー、じゃあ俺たちで決めてあげますよ」
(・△・)「あ、これどうですか。流行の最先端。インターネットプロバイダースタッフ」
(゚ー゚)「だいたい意味もわからへん」
(仝_仝:)「これ金いいよ。トドの調教、手取り30万」
(゚ー゚)「なまぐさいのは嫌いですぅ~」
(・△・)「グズ六さん、専門学校の観光科出てるんですよね。旅行代理店の営業なんかいいんじゃないですか。えーと、ユニバーサルツーリスト手取り15万」←今や坂本リーダーしか浮かばない
(゚ー゚)「給料最低20万!」
(仝_仝:)「そんなこと言ってるからいつまでも仕事決まんないんですよ!」

この条件がどれだけ高望みかを、自分も就活の時期に知ることとなろうとは(遠い目)にしても岡田に敬語の剛健という斬新さ。このカミセンやり取りの間、ずっとメシがっついてるワカメ最高。

田所さんに厳しくされてキレそうなカースケ。グズ六は仕方なしに妥協したユニバーサルツーリストを受けに来ましたが、ビルが超ちんけなので早速面接を辞めて帰ってきてしまいます(ちなみにこのとき話しかけた人物が後に、ユニバーサルツーリストの部長*1だったことがわかって謝りまくることに……)

ノリコさんからのセックスの誘いを断ったら、カースケから「なんで?」と責められてぶち切れるグズ六。要するに、グズ六としては自分にぴったりな就職先も決まってないのに変なことなんかしてらんないって主張で、カースケは本当に婚約者が好きで大事に想ってるんだったらちんけだとか給料安いだとかグズグズだだこねて先延ばしにしないで、とっとと就職先を決めてノリコさん幸せにしてやれ!って主張です。

この理性VS感情、みたいなのが、うわー若いときのカミセンだなああああ!!!って思う。岡田と森田の対比マジ愛しい。ほんとにカースケとグズ六って対照的な生き方してる。

何気にカースケからキレられた回数が多いグズ六(そしてそれを止める→吹っ飛ばされるオメダの抜群の安定感)ふがいない自分にイラつき、ノリコさんを大事に想うがあまり、とうとう逆上してカースケの首を全力で絞め殺そうと(!)します。カースケ細いんだから、本気出したら死んじゃうぞ!!!

語弊があるとまずいんだけど、このときの、森田さんを殺そうとする岡田が狂気じみててなんとも好きですね。こんな熱い筋書き今ならありえないというか、許されないでしょ。見たところ、まんまD×D最終話付近で取り憑かれたときの虎之介だけど、そこにリアルな二人の関係性が加わると、もう、なんか、すごい。妄想をかきたてられるし、たぶん、今現在の二人にはもう、できない芝居だと思う。

(仝_仝:)「(首を絞められながらも)そんな真剣になれんだったらなあ、ノリコさんのこともっと真剣に考えてやれよ!」
(゚ー゚)「(はっ、として手を緩める)」
(仝_仝:)「どんな仕事だっていいじゃねえかよ。ノリコさん喜ばしてえんだろ。ノリコさんと変なことしてえんだろ。だったらとっとと就職しろよ!」

信じられるか?
こんなん土曜の9時に小学生が見てたんだぜ?(笑)

実際、このシーンは想像以上に深いものがあります。二人が役者として大成した今、こういうのを演じたら一体どうなってしまうんだろう。

カースケ捨て身の訴えでグズ六はようやく、ようやく綺麗事じゃなく就職先を決め、面接に向かう(一連の流れは今見ても鳥肌ものです。上手い下手、とかじゃなく、相手を思いやるがあまりその相手に殺されに行くとか、精神的にはやっぱり森田の方が一枚上手かなとか、いろいろな妄想がぐるぐる)(うまいこと言葉がまとまらない)

いつもカースケからケンカふっかけるんだけど、それって全部相手のためを思ってのことなんだよね。初回でのオメダに対してといい、今回といい、カースケって、相手の気持ちを変えてやるためなら自分が痛めつけられてもかまわないんだよな(ていうか、自分のことなんてどうでもいいと思ってる。最近読んだSPA!での「最悪自分がダメになっても~」のくだりとか思い出してダブってゾッとする)うーん、熱い。

そんなカースケにとってはかなり重たい、夢追う中年サーファー田所さんの過去話。夢のため妻子と別れてひとり淋しく暮らす田所さん。経営はうまくいかず、ショップは借金のかたに人手に渡ることが決まってしまう。自由に生きるには覚悟がいる。自分が好きなことを貫けば、周りのみんなが不幸になる。

聞いたこともない都市への航空券を10枚売る、という条件付きで就職が決まったグズ六。祝いの酒ってやっぱ大五郎の奢りなのかなー、大好きだおっちゃん。サンクトペテルスブルグ(正式名称サンクトペテルブルグ?)は……当時めちゃめちゃ世界地図で調べましたよ~っ、ロシア第二の都市です。

(・△・)「(超可愛い笑顔で駆け寄って)グズ六さん!、見てくださいよ、はじめてバイトで稼ぎましたよ!」←子犬か!

なにかにつけて岡田が健ちゃんや森田さんの肩に腕回して、ぐっと引き寄せてくるのが好きで好きでしょーがない(笑)。オメダとグズ六が二人並んで「あち~」ってヘバってるとすんごくかわゆい。二人を心配させたくなくて航空券が売れたって嘘つくグズ六。嘘つくときは異常なハイテンション(笑)なんだけど、ふと二人には見せない真顔をする、嘘をついた後ろめたさなのかな、表情の作り方が上手すぎてびっくりする。もっとも普段がウザすぎるからその落差かもしれないけど!^_^;

ヨーコさんに淡い恋心抱きつつなオメダに説得され、自分も就職(ヨーコさんが見つけてくれた古着の買い付けの仕事)のため面接に行くことを決心したカースケ。

流行だと思うけど、当時のスーツやワイシャツって、今の細身のものとはだいぶ違ってて大きめだったんだよね。グズ六さんも例に漏れず白いシャツがぶかぶかで、子供が大人の着て背伸びしてる感が滲み出てて、いかにも頼りなさげて猛烈にダサくてかわいいぞと思う!

オメダ流のグズ六の起こし方(寝てる本人の靴下脱がせてかがせる→強烈な臭さに飛び起きる)グッジョブ!!!

バイト代を全部使って土下座までしてショップの閉鎖を引き伸ばし、田所さんの最後のボードを仕上げさせたカースケ。仕事なんて放りだしてまでカースケに面接受けさせるため走ってきたグズ六。同じく、カースケに面接受けさせようとしているオメダは、グズ六の嘘にも気づいちゃってて、仕事戻れって言うんだけど「もうええねん、うっさいねんおまえは!今はカースケのほうが大事やろっ!」って、いやいやいやあんたが来たところでどうなるわけでもなしに、オメダに任せたらいいんじゃ……?(笑)

カースケのためスーツを用意してくれたヨーコさんのため、カースケのためを思って(全然航空券売れてないのに)古着屋の面接を譲って仕事放り出してカースケ探しに着いてきたグズ六さんのため、なによりカースケのために、オメダがとうとうぶち切れます。

(仝_仝:#)「俺のことなんか心配すんなよ!」今度はカースケとオメダの殴りあい。三宅が殴りあいのシーンってなんか……違和感?、不思議な感じがします。珍しく仲裁役になったグズ六に、ポーンって投げ飛ばされるオメダ。ああ、やっぱりなあ(笑)。なんかこの頃のイメージが強いせいか、普段のカミセンで、森田さんが二人を「やめろよ」ってなだめたり仲裁してるのを見ると「うわぁぁぁああ、お兄さんんん!」とか思ってやたら感動しちゃうんだ。

最後の波を待つ中年サーファー……「このまま終わっちゃうのかなぁ?」切ないね。結局、波は来なくて、それが現実で。田所さんの夢の結晶(サーフボード)を託されたカースケはなにを思っただろう。

……で、その後のエンドロールなんで三人で海に入ってはしゃいじゃうんだーい!!!
余韻ぶち壊しだわ、ただのカミセンイメージビデオだわ、いいんだけどかわいいから全然許すけど!!!
わいわいきゃいきゃいなんてったってアイドル、まぁ確かに青春って言ったら海岸・土手・草原は外せない、よな(笑)


“どんなに大変でも「自由に生きる」ことをあきらめないで”


天の声「いかがでしたか。次週は、貧乏にあえぐ三人に、突然大金が。三人はそのお金をグズ六のために使おうとするのだが……どうなることやら?」

*1:この上司こそ、SVb初回BでイノッチがモノマネしたことによりV6ファンから一躍脚光を浴びた佐藤B作さんです。