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そのうち笑い話になるさ

得意分野は90年代の土曜9時ですが、22年目の話題にもできる限り迫っていく所存です。

悪童

演劇

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おいー、おまえたちー。
とうとう悪童DVD発売だなぁ。
サントラCD付きを買ったぞぉ。

と、いうわけで、
いよいよ悪童がBlu-rayで解禁です。

追記から、ネタバレ込みの無駄に長い、長~い感想文。

ハマりすぎた挙句、CUE DREAM JAM-BOREE 2016に申し込んで参加できることとなりました。だって噂の中学生編がどうしたって観たいもの。しかし、なにぶん初めての北海道で知り合いもおらず、新参者丸出しで、今からド緊張しております。いやあ、大丈夫かな……でも生で観てみたいんだあ、オフィスキュー。これまでの歌もだいぶ覚えたよ。「月の裏で」は無類!「さよなら朝日荘」至上主義!

悪童 [Blu-ray]

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あらすじ

(公式より引用)

市役所勤務の西崎直樹(音尾琢真)は取り壊しが決まった廃墟にいた。かつては「レジャーセンター竜宮」として町一番の遊興施設だったが、今や見る影もない。外にはパトカーが続々集結してくる。この建物には、友人で中学時代に卓球部で一緒だった吉村雄太郎(戸次重幸)が立てこもっており、西崎は吉村を退去するよう説得するためやって来たのだった。吉村は退去の条件として、元卓球部のメンバー全員を集めるよう要求していた。かくして、サラリーマンになった元部長の紺野治(森崎博之)、投資会社を営む元副部長の巻光博(安田顕)、画家になった江口幸一(大泉洋)が廃墟を訪ねてくる。だが、吉村は一向に立てこもった理由を明かそうとしない。当時のあだ名で呼び合う彼らはやがて昔話に花を咲かせるが、それぞれが持つ記憶の断片をつなぎ合わせていったとき、ある過去が顔をのぞかせる。

……果たして“大人のスタンドバイミー”の行方はいかに。

誰しも胸の奥に秘めている、学生時代の懐かしさ、馬鹿馬鹿しさ、そして辛さ、理不尽さ、今の自分が抱える悩みなんかがぶぁーっと絡み合って、ちょっと痛みを伴う感じが苦しいんだけど癖になる。苦しいんだけど、もう一度、最初から見たくなるんすよ。脚本、演出、演者それぞれに言いたいことはあるんですが、とりあえず“NACS版「キサラギ」”だってことは前もどこかで言った通りなので、そこ以外から切り込んで参ります。



紺野治(紺ちゃん:会社員。卓球部の部長)
巻光博(巻:融資企業社長。卓球部の副部長)
吉村雄太郎(チャック:定食屋)
江口幸一(エロッチ:画家)
西崎直樹(西くん:市役所職員)



はじめに!

初めて映像で観たとき、私は「LOOSER」と「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」を副音声や解説なしで見たきりで、TEAM NACSのメンバーが一体どんな関係性なのか、どんな作風の劇をつくる傾向にあるのかをほとんど存じ上げない状態だったので(特に学生演劇が母体の劇団に有りがちな)内輪受けネタをほぼ廃したこの作品は大変取っ付き易かった。シリアスな雰囲気で、誰が刺されるのか撃たれるのか、これはサスペンスに違いないぞ、と。

今思えば、あて書きの決まり事が無いぶん、ファンには不満足な点もあったろうなあ、と思う。北海道の学生演劇からの延長上にあるNACSらしさを追求した演出や脚本としては、やっぱり「HONOR」が最高潮。5人の関係性を知れば知るほど恵織太鼓の場面は泣ける。でも「悪童」みたいなスタイリッシュなのも、アリだと気づく。20年来の仲を誇るNACSが演じるからこそ、余計に説得力がある幼なじみの悪ガキたちだったけれど、NACSにあらずとも成立する物語でもあるので、再演やら映画化やら、絶対、あるだろうなあ。

(無理矢理に昔の仲間を集めて思いを遂げようとするシゲ、ということで、どうしたって「鹿子ブルブルズ」が頭を過ってしまうようになるのは、また別のはなし。そうでなくとも、シゲならやりかねんし、誰かが呼びかけたなら、みんな散々文句言いつつも集まっちゃう、というパブリックイメージ、なのであろうなあ……いやー素敵だ。こういうの無茶苦茶好み!)


役者陣について

チャック(シゲ)「僕にとっては、君たちだけが親友だったんだよ……」
思い残したこと:竜宮でみんなと楽しい思い出をつくる(?)
物語の表主人公。いつまでも地元に残り、結婚もせず実家の食堂を手伝っている彼が「記憶の上書きがされていかない!大人になってから友だちなんてできないよ!」と喚く場面は、思いあたる節がありすぎて辛いです。中学生がそのまま42歳になったような奴で、非常に鬱陶しくて短絡的で周囲に迷惑をかけまくる姿は、ついつい残念な生き物を観る眼差しになってしまうわけですが笑、彼の一番の目的は「竜宮の取り壊しの阻止」でも「旧交を温める卓球部の同窓会」でもなく「西くんに迷惑のかけ方を教える」だったわけで、西くんに「思い残したことないの?」って詰め寄る。なんて優しい奴なんだろうと。最も子供な彼ではありますが、それって、最も純真な気持ちを残している、それを真っ直ぐ相手にぶつけられるってことでもあるんですね。わんわん喚くし泣くし無駄な動きが多いし(なぜかターザンして出てくるよ、)それだけでもう舞台の登場人物としては完全に好みの設定です。あのびしょびしょに色の変わる衣装は、わざとなの?

エロッチ(大泉)「……なんか空気違う」
思い残したこと:女子バドミントン部の宮原都
彼も、ある意味、中学生がそのまま42歳になったような奴ではなかろうか。飄々としていい加減でエロくて適当、ノリで人殺しに加担するエロッチ。いい。目の奥が死んでるの最高です大泉さん。飄々と人殺ししてほしい。本人や周りは「ノリで」って言ってましたけど、画家なのに絵が描けず、女にたかってこの歳まで生きてきてもう後戻りもできず、こんな人生終わればいいと思ってる男、なんて背景を知ると、強ち狂気ばかりでもない気がするなあ。なんというか、あれはあれで、エロッチの心の叫びだったんだろうな。その辺りうやむやになってしまったので、彼の闇は、紺ちゃんと比較する上でも、もっと掘り下げてもよかったかな、と思う。

巻(安田さん)「やろうぜー! 鴨田ぶっ殺そうぜー!」
思い残したこと:鴨田暗殺計画の実行
クールで過激派で格好いい、鬼の副部長こと巻。とん平を思って実行する、というよりは、今の自分が抱えている憤りや怖れや焦りを、全部鴨田にぶつけようとしているだけなように見えました。今回の安田さんはかなりまともなひとというか、狂気少なめですね(脱がないもんね!)渾名をつけてもらえないのを気にしていたり、チャックに鴨田より嫌いと言われて大きなダメージを負ったり、実は一番繊細な人なのでしょう。あと自分のおもしろポテンシャルを知っている。強がってはいるけれど内実相当めんどくさいかまってちゃん、在りし日のモーツァルトが脳裏を掠めます。偏屈な眉毛。今作の役柄はみんな好きなんですが、どうも、この安田顕だけは(脱がないから調子が出ないのか)消化不足。最後の「俺もおまえはキライだ」は、きっと大泉本人に言ってますね!笑

紺ちゃん(森崎さん)「そしてふと、死にたくなる」
思い残したこと:とん平を自殺に追い込んだのは誰か
一番の常識人で、幸せな家庭を持ち、悪童たちの悪ノリを「できるわけないだろう」と止められる彼が、とん平との話を持ち出して犯人探しを始める展開にゾッとしてなあ。リーダーに鉄パイプ持たせるなんて最高っす、最高に燃える。大声を出しちゃうといつものリーダーというか、仕舞いきれないいい人オーラがあるんですけれど、淡々としているときの森崎さんて洒落にならない感じがしてほんと怖いです。仕事場と家庭を往復する一人語り(なんとなくLOOSERの佐藤を彷彿させる)は圧巻で、さすが元伝説の営業マンは説得力がある。不満なんかあるわけないのに、死にたい。紺ちゃんが最も、同世代からの共感を集めやすいかもしれませんね。森崎さんは初見で、癖のある発声や話し方をする役者さんだな……とずっと思っていて、やや苦手かも、みたいなところがあったものの、普段からあの芸風で、物真似しやすいことこの上ないと知ってからはむしろ、大好きになりました。西くんがやりたかったみたいですが、やっぱりナックスでいるときは、元部長の役回りが似合うよなあ。鈴井さんとのやり取りで見られるような後輩キャラも、できるっちゃできるんだろうけど。

西くん(音尾くん)「みんなもさ、生きてくなら、とん平のことちゃんと背負って生きていけよ!」
思い残したこと:ベータテープを盗んだのは誰か
裏主人公。竜宮を取り壊す役所の人間、そしてとん平の幼なじみという立場上、序盤から中盤は物語の進行役で控えめですが、終盤で一気に主役に躍り出ます。ああ、おいしい。チャックが病気を使ってみんなを脅してるとき、しきりに何か考えていました。改めて見るとちょいちょい小芝居が入ってる。音尾くんは「芝浦ブラウザー」のオノくんのイメージがありまして、とても丁寧で公務員的といいますか、とにかく似合っていました。忘れ物無いねっ!?が音尾くん、あたかも言いそうでかわいい。



本編!

果たして「とん平」とはどんな人物だったのか、自殺未遂の原因は、遺した言葉の意味は、殺したのは、誰か。彼らの普段の阿呆学生のごときやり取りを知ってしまうと、互いを疑い、取り巻く殺気、みたいなやつには死ぬほど燃えますねぼかぁ。大泉に無言で迫る四人の構図なんかたまらないもの。西くんのアシストでエロッチの記憶が戻り、チャックを殺そうとする流れ。西くんのアシストで巻に標的が移る流れ。一気に嬉しそうなチャックが酷い。紺ちゃんは自ら西くんへ、自分の贖罪を問う。

紺野「西くん、俺は何かしたか。本当に覚えてないんだ。俺は、何かしたか」
西崎「紺ちゃんは、何もしてないよ。何もしなかった。とん平がしごかれても、何かやらかしても、何もしないでただ、じーっと見てた。紺ちゃんはとん平に優しい顔をするのが面倒になったんだ。だから途中から、完全に無視するようになった。からかわれるより、しごかれるより、無視されるのが一番辛かったかも、しれないね」

自分が同じ立場に立たされたら、きっと紺ちゃんと同じ行動を取ってしまったと思う。だからこそ、この流れが一番辛かった。

西くんの独白。とん平を卓球部に誘ったのは西くんで、結局、とん平を追いつめたのは“ここにいる全員”だった。

とん平を「いじる」のか「いじめる」のか、その線引きはとても難しくて、ただ、とん平自身が「いじめられた」意識も無く、むしろ楽しんでいた以上は、外野がとやかく言う問題じゃないのかもしれないけど。積極的にとん平に接したエロッチ、巻くん、チャックはまだいい。とん平を誘った西くんも(誰よりも卑下してたとはいえ)責められないと思う。ただね、この場合、最も凶悪なのは無視した紺ちゃんだったんじゃないかな。結果的にとん平は喜んでいたけど。音尾くんだってものすごいじられまくってるじゃないですか、魚類だとか、じゃないかとか、あれは本人的にはおいしいとか楽しいとか思ってやってるわけですよね。とん平が「楽しい」と感じていたのなら、たぶん、結果オーライでありなんだよなあ。

(副音声では冗談混じりに、ただただ西くんの思い込みの激しい勘違い、ということで認識されていて、ああーやっぱそういう認識なんだあ、って。その男同士さっぱりしたとこほんと憧れるけど、匙加減の難しさったら!)

などと、クソ真面目にいじめの話だと思っていた私の労力を返していただきたい……!笑

巻「あの頃は良かったって本当に思ってるのか。記憶ってのは便利なもんだ。都合の悪いことは忘れていいように書き換えちまう。時が経てばなんでもかんでも美しい思い出だ。ヘドが出る!」

ミッドライフクライシス。中年男性の思春期、とも。
誰も成功してないし、誰も本当の意味で幸せじゃない。
互いに互いの立場をうらやましいと思っているけれど。

でも、私たちは、そんな世界で生きてかなきゃなんないんだよねえ。

吉村「なーんでいっつもそうなんだよっ! 自分のことは横に置いて、いっつも周りに気ぃ遣って! 控えめなのもなっ、どっ、度が過ぎるとウザいんだよっ! こんな状況になったときくらいさあ、わがままになったらいいだろ。周りに、迷惑かけたらいいだろっ。僕は、手本示してやったんだよ、こうやって迷惑かけんだって!」
紺野「ちょっと待ってくれ。西くん、そんなに悪いのか?」
西崎「別に、死ぬと決まったわけじゃないよ」
吉村「でもすげえ悪いんだよ! もう治んないかもしれないんだよ! なのにみんなさ、死ぬとか、死にたいとか、もう、デリカシーがなさすぎなんだよ! 生きたくても、生きられないやつの目の前でさあ!」
西崎「一番デリカシーがないのはお前だと思う! お前の言葉一番グサグサ来てるからな、かなり最初のほうから、もう、葬式がどうとかもう後がないとか来月死ぬとか、生きたくても生きられないってなんだよ、僕治るつもりでいるんだからなっ!」
吉村「……ごめんっ!」

チャックがぶち切れるときの西くんの一連の表情、観たかったなあ……。西くんにぶち切れる死ぬほどウザいチャックがたまらなく好きで好きでしょーがない。それを受けての西くん、あああ……何か不安に駆られて泣きながら喚くシゲが、一気に一方的にぐああああーっと喋るの無茶苦茶好きだしああいう芝居を観るたびに、うわあああーっありがとう演劇万歳、ってな気分になる。ああいう大人の姿って日常生活ではあんまりお目にかかれる代物じゃないから。演劇特有の立ち回りとか発声とか、けれん味ってやつ、好きなんだよなあ。

いや、ミッドライフクライシスや謎解きを真面目に見ても、結末を知って不真面目に見ても、楽しかった!

チャックが卓球部を集めたのは西くんのためだ。
エロッチはチャックのふりしてFBに書き込んだ。
自分だけあだ名が無いのを気にしまくってた巻。

すっげえわかりにくいけど、こいつらすっげえ仲が良いな。
この“男たちの友情”ってやつは、なんというか、女性の理解の範疇を越えたものなのでしょうなあ。うらやましいぜ。

西崎「ゴーストバスターズ、ベーターーーー!!!」

走りだし紺ちゃん叫ぶ、この安心感。やっぱりナックスだあ。
高らかに掲げる西くんが清々しく馬鹿馬鹿しくて大好きです。

“西クンにはきっと、すんげえ未来が待ってる。もちろん、僕にもね。僕らの人生は、まだ始まったばっかりだ。なにもかも、これからだ。なんにだってなれるし、なんだってできる。”

思い込み激しかったり注意力散漫だったりして物語をかき混ぜる音尾くん大好きですよ。紆余曲折あったけど確かなのは、西くん、この場に来たことで救われたんだろうなってこと。下荒井に続き、いーい泣きの芝居しますね音尾くん。よくこの流れで泣けるよなあ、役者さんてすごいなあ。みんなが末っ子大好き!でまとわりつく図に、単純だけどグッと来ました。卓球の音は軽やかなタップ音となり、5人のメインビジュアルと同じ構図でストップモーション。うーん。さすが。舞台作品というやつは、なんというかみんな一生懸命で、得体の知れないパワーがありますね。

演出は(ジョビジョバの)マギー。初めて認識したのは演技者。 第14弾「蝿取り紙」だったなあ。その道で有名だと知ってはいたものの、実は自分、この人にとても不信感を募らせていたわけで、なんでだったっけ?って突き詰めて考えたらあれだ、ドラマ版ぬ~べ~だ。世の中にはこんなにも面白くない脚本を書く人がいるのか(呆気)と逆に感心するレベルだったのだけれど、演出は手慣れたもので和やかで良かったですね。キャスト紹介とか、卓球とタップダンスがクロスするとか、うわーこれこれこれ小洒落てる!って感じだったもの。ただ、やっぱ、笑いのツボはちょっと、私の好きなとことは、ズレてるんだよなあ苦笑。


副音声

いや、ほんと森崎さん音尾くんが愛されててうれしい!
リーダーの物真似で心境を勝手にアフレコするのが最高に好きだ。下荒井の長男をひさしぶりに聴けて、これもうれしかった!

音尾「とにかくリーダーにいたずらしたくってしたくって……俺の右手はリーダーのケツの上にある。いつでも肛門にガッ!っと!」

無防備に倒れてる紺ちゃんを前に、必死に我慢する西くん。

大泉「いたずらしてないの!?」
音尾「やってない……」
シゲ「それは音尾、ダメだよ」
大泉「あれもう全然肛門に指入っててもいいよ!?」
森崎「よくねえよ!」
音尾「やー、リーダー、すまんかったっす」
森崎「いやでも何回かやってたよお前?笑」
音尾「いやこらえてますって」
大泉「あれはでも肛門に刺されて目覚める、ってんじゃないと!(肛門に刺されて目覚める紺ちゃんのマネ)」
音尾「確かにそのほうがリーダーも芝居しやすかったろうなあ」
安田「マギーさんの演出じゃなかったらおそらくやってるね」
音尾「そうだね。ありえるね」

むしろ、いたずらするのが礼儀!

森崎「ここ西くんがずっと破片を抱えてて可愛くて好きだったの」
音尾「あ、ありがとうございます」
森崎「可愛いな~と思って」
音尾「いつリーダーの頭にゴーン!ってやってやろうかと」
森崎「あ、そんなこと思ってたんだ。損した」

いくつになってもリーダー(長男)から見たら音尾(末っ子)は可愛いになるのだなあ……と、妙に感心してしまった。なんとかして面白く返す、という癖がついてる音尾くんも無類。

紺野「落とし前を“つける”」
一同「(よっしゃ!!)」

森崎さんを見守る一同も可愛い。

(俺、なんでこんなところにいるんだろう?)
大泉は映画の宣伝するときに紺ちゃんの気持ちになるらしい。
(さりげなく大泉洋の闇を見たというか聞いた気がする……)

西くんは治ったのか、という話で、
治らない!って言いきる大泉に、

森崎「治ったの。 またもう一度集まったの」

って言ってあげてたり、もめてるなあ、仲良くしろよ~とアテレコされる森崎さんの優しさな。お人柄よなあ。やっぱほんといいよリーダー(悪童打ち上げ?でのキューモバの五人呑み写真説明文には悔しいかな泣かされました!)

うらやましいなあ、舞台裏。演出の仕事めちゃめちゃ楽しそう。めちゃめちゃ辛い、ってパターンもあるけどね。やー、死ぬまでに絶対、舞台作りに携わるような仕事やりたい。登場人物の背景を練って心境整理してるときって本当に楽しい。

西くんの心境は最も難しい。安田説(友達だ、って気持ちより先にクズだが出た)も、戸次説(そもそも本心ではない)も、ありそう。音尾説(チャックの店で、皆に会いたいと言ったときにもちょっと思ってた)が真相に近いのかな……いや~、人それぞれ解釈変わるものですね。自分は、死期が迫ってることへの自暴自棄的な気持ちも含んでるのかな、みたいに思ってたんだけど。

森崎さんの言動見る限り、今回は本当にいろんなこと思ったろうなあ、って思う。四人俳優の中、一人だけ農業タレントなんですが、とか。あじさいだなあ、戸次。とか。やい、おまえたち。とか。火ぃつきますよね、そりゃ。とか。リーダー楽屋でもひたすらコントに付き合ってくれてて楽しいなあ。しれっと入ってきて一目散に逃げる安田さんが期待を裏切らない。わんつーコント。

音尾くん、10年前前後の作品ばかりずっと見てたせいか、近年ちょっと知恵をつけて気難しい感じになったのかなと勝手に思ってたんですが、躊躇なく脱いでたり琢さんぽしてたり木六本さんだったり、狛犬だったので勝手に安心しました。意外にも、変わらないねえ。井ノ原さんより変化の振り幅が少ない気がしてとてもうれしい。音尾は(くだらない遊びに付き合ってくれるの音尾だけだから)そのままでいて、っていう昔の安田さんの気持ち、痛感してます。無駄に西くんを脱がせてその直後、ハグするときにごめんねって小声で謝る安田さんのいじらしさは無類だ!


総括!

例え今はバラバラな日常生活を送っていたとしても、この世のどこかに、昔ともに悪さをした悪友が、居続けてくれることの頼もしさ、喜ばしさ。集まればくだらない思い出をいつでも語り合える仲間がいるなら、この世もそんなにつまらないもんじゃ、ないのかも。

そういう昔の悪友に、会いたくなる作品です。
大がかりな仕掛けのない、地味な芝居大好きなんですよ。

演出の意図は、中の人(NACSらしさ)を出さない芝居。パキパキ動かず音楽みたいな台詞まわしではないシゲとか、突っ込みしたい大泉と突っ込みをしてほしい一同とか。それを心がけても、やってる人がNACSなのだから、NACSらしさは損なわれない。だからこそ、次回は、思いっきりNACSらしさに全フリした芝居を、是非生で観に行きたい。そう思うようになりました。大泉曰く、森崎さんが大声出して、一同わーっと動く、みたいなのが「NACSらしい」んだってね。本人たちがやってるのに「NACSらしい、らしくない」ってのも面白いな。

うーん、もはやNACSって概念なんだなあ。

恐らく「HONOR」のような作品を期待されてるのだろうな、って思う。確かに森崎劇団だから根底はそれでいい。ただ、各々が大活躍して様々な現場で様々な経験を積んで、そうしたものをいろんな「可能性」として見せていく上で、外部演出脚本は、大いにありだ。80歳までやるなら劇団としては、まだまだ折り返してもないんだもの。安田さん全裸なし、ひとり二役以上や女装もなし、ロマンチックのないリアルアラフォー描写に、今回はコアなファンほどあまり評価が高くないようでしたが、NACS入門編、演劇入門編、という感じで、普段、映像ばかりで舞台をあまり観ないような層にはうってつけの作品だったと思います。

近年特に、メンバーが全国区になりすぎて、役者として気後れというか、気弱になってる森崎さんを見かけるたび、元気だしてよリーダー大丈夫だよ、私なんか戸次重幸も今年まで知らなかったもの!(?)と、なんとかして心から励ましたい気持ちでいっぱいになる。観れば観るほどいい役者さんでしたよ、紺ちゃん。いや、大泉なんか絶対的にモリの大きい芝居好きだし、ちゃんと馬鹿にしちゃいけないところはフォロー入れてるもんなあ、そういうとこ好きだわ大泉大先生。

大泉洋を見かけるたびにほんとこの人は「クラスの人気者の究極進化体」みたいなひとだな、と思ってるんですが、ともすれば「学生演劇の究極進化体」みたいなナックスのお芝居を、上手くそこから昇華した、大人になった作品ではないでしょうか。ファンサービスとして、内輪ネタやメタ発言は楽しいものですが、そういうものばかりで芝居の枠を定型化し狭めてしまうのは、もったいないことだと思います。外部脚本演出、いいじゃないすか。「WARRIOR」はあんまり好みじゃなかったけれど、好みじゃないなとわかっただけありがたかったし。

そろそろ書きたいネタのストック溢れそうなんじゃないのかい、いやー楽しみだ、森崎さんの次回作!!!

いやはや、考察捗る、本当に楽しい時間だったぜ。

それでは皆さま方、乱筆乱文に最後までお付き合いいただき「お疲れ~た~」でした!!!