そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

新・俺たちの旅 Ver.1999 第八話

2438


*第8話*



大阪から東京に出てきてひたすら頑張ったんだけど、メンタルやられて弱音吐いて情けなさ極まれりのグズ六さんが、ただの岡田准一だった回。グズ六がカースケとオメダに「俺、大阪帰るわ」って深刻な相談をするあの場面、今の時代においては、ドラマというか実録ドキュメンタリーとして伝説になれると、わりとマジで思っている。



そしてあまりに短いスーパーエキストラ@トニセンの幻の話。エピソード自体はほぼ原作のまま(大阪じゃなかったけどね)なので素直に感動できます。このドラマの中で一番大好きだった、一番おすすめしたい回。

人妻相手に妄想膨らませてるカースケの八重歯がかわいいです。そして公衆の面前でカースケからあだ名で呼び捨てにされても、もはや笑顔で応対するようになったグズ六。進歩なのか、あきらめなのか?(笑)、グズ六は公園でホットドック屋をしている新婚夫婦のハネムーンの提案に来ていました。旦那の坂口は、実は元エリートサラリーマン(社長のご子息)だったけど、愛する彼女のために会社と決別したのです。しかし、坂口の元上司であるグズ六の兄貴は、坂口を会社に戻すため、夫婦と仲良くなったカースケオメダを利用しようとしていました……。


舞台は代々木第一体育館前の、あの、いつもの場所。

♪♪♪♪♪♪(●●)(´ε`)(^▽^・)♪♪♪♪♪♪
「今夜の~夜汽車でぇ~旅立つ~俺だよ~」
「あ~てなど~な~いけど~ど~~にか~~な~るさ~~」

ぎゃあああ出たぁぁぁあああ、ヒッピー三兄弟@トニセン!

路上で『どうにかなるさ@ムッシュかまやつ』を熱唱している三兄弟。渋い。マラカス担当ひろし、タンバリン兼呼び込み担当坂本さん、アコギ担当いのっち。必死におかだを呼び止めるリーダー坂本の勇姿、リーダーにしか台詞がないんですけど(笑)。なんというぴったりすぎる選曲か。渋い。ここだけ学校へ行こうのオープニングコント。いのっちのヘアバンドもリーダーのグラサンもひろしの白いチューリップハットとピチTも、ただひたすらに怪しい。

↑それを見てのグズ六さんの超シリアス芝居が非常にロックです。

(゚ー゚)「なんか……いやな予感がすんねん」*1

結局カミセンからまったく相手にしてもらえなかったトニセンの哀しみは、いかばかりだったろうか……!!!!!


石黒賢演じる兄貴は、こんなところで昼間から何をしていると、グズ六に軽いジョブをぶつけてきます。優秀なお兄ちゃんには何も言えないグズ六さん。何を言われても、グズ六はお兄ちゃんが大好きな様子です。熊沢さん家の似てない兄弟。いや、ジャンボリー兄弟よりは似てるけどさ(笑)

ユニバーサルツーリスト倒産という青天の霹靂→もみくちゃ(うぇ、そんなに顧客がいたの?)→バキッ、めめめめがねー!!!→人々に取り囲まれて土下座するグズ六さんの災難。銀ぶちめがねのつるがもげたので、その後しばらくつるをビニールひも的なもので代用して頭にしばりつけてたグズ六さんをV6に興味の無さ過ぎるうちの妹が大絶賛してました。いやもう私なんかもうあの、どうしようもない情けなさが、ダメっぷりが、ほんと好きだった。大好きだった。

こんな状況を兄貴に怒られる→デートすっぽかしてノリコさんから平手打ち→手すりぶっ壊して落ちそうになるグズ六さんの災難その2。後で、手すりはガムテープでガチガチに補強!うーん貧乏あるある!(笑)←押すなよバカまた壊れんだろ、あぶねーよ!なカースケが素っぽくていい←あと意外にもニコちゃんマークのTシャツ着てるのがツボ、みやけじゃなくてもりた……だと!?

ごーけんがガリガリ君かじってるだけで、なんであんなにかわいいんだろう(遠い目)

めずらしくシリアスモード全開のグズ六さん。いのっちがシリアスになると緊迫感が増すよねの法則(長い)に則って、じわじわと兄貴の手により大阪へ追い詰められてくグズ六。立派なおでこにシワ寄せて眉をひそめてキレイな顔を歪めて、ああもう、ほんと切ない。兄貴の策略で別れてしまった坂口夫婦。それに意図せず加担してしまったカースケとオメダは憤ります。グズ六は兄貴に抗議。すると、兄貴は交換条件を持ちかけてくる。手切れ金として、彼女に会社からの小切手を渡す。彼女が受け取りを拒否すれば、兄貴はこの件から手を引く。

キリッと兄貴を見据えて「約束は守ってや」のグズ六が、ちょーかっちょいい。

結局、彼女は小切手を受け取る。もちろん、金は目当てではなく、坂口の将来を思って身を引いたのだ。呆然とする三人。

元部長が夢としていたという、たこ焼き屋への転職を勧める→そんなの世間が許すわけないだろう!と元部長に一喝される→しょぼ~ん……う~む、つくづく思うわ。親父世代との葛藤を演じさせたらおかだの右に出る者はいない。


こっからシリーズ通した最大級の見せ場のひとつ、カミセン的な意味で。夜の公園で三人寝っ転がってカースケオメダ……いや、剛健に向けて放つおかだの言葉が、どうにも当時のおかだの素のようで。

(゚ー゚)「いろいろありがとうな」
(仝_仝:)「なんだよそれ」
(・△・)「どういう意味ですか」
(゚ー゚)「俺……大阪帰るわ」
(仝_仝:)「なに言ってんだよ!」
(・△・)「俺たちはどうなるんですか!」
(゚ー゚)「仕事がないのも不安やしさ。俺はカースケみたいに生きられへんねん! ほんまのこと言うと、東京のテンポについてくのがキツかってん……やっぱ、兄貴の言ってることのほうが正しいのかもな」

↑三者三様にとんでもなく切ない顔してますからね。ほんとに昔は実際、剛くんみたいに生きられないって、そんなんもあったんかなぁ……。その後アンティムに戻って、なんでグズ六さんを止めないのっ!?それでいいのっ!?ってワカメがカースケオメダに必死に食いつくのがいい。

坂口は会社に戻り「あの女に騙されていました」と、彼女の本心も知らずにほざく。ほんと坂口ぃいい!!!だよね!!!カースケじゃなくても「あんたがそんなこと言わなきゃグズ六は大阪帰るなんて言いださなかったんだ!みんなあんたのせいだかんな!あんたのせいでみんな泣いてんだかんな!」って言ってやりたくなるよ。カースケは「あんたなんかよりグズ六のほうがよっぽど人生楽しんでるよ!」って兄貴にもキレる。だから、あんたは……どんだけ友達想いなんだ!!!

エリートだけど愛のない人生と、貧しくとも愛に溢れた人生。幸せな生活はどっちだろう。深いです。坂口を復帰させ、弟のグズ六に帰郷を決意させ、エリート兄貴の勝ちかと思いきや、それによって降りかかる左遷と、今になって明かされる事実……弟は昔から兄貴に劣等感持ってんだけど、ほんとは兄貴も、自由そうな弟にコンプレックスを抱いてたんだよね。そりゃ勝手に相談もなしに大阪帰るなんて聞かされたらノリコさんかわいそうだよー。

朝靄のアンティムで、寝てるカースケオメダを見て、決意の表情を浮かべて、出ていくグズ六がいい。

石黒賢大阪弁の果てしない違和感。だけどこの話で石黒さんが好きになったのだった……「おまえたちに負けてたまるか。日本の将来をおまえたちみたいなやつらに任せてたまるか」原作を再現した台詞とともに北海道行きの飛行機へ向かう兄。悲しげに見送るグズ六。すると、兄は振り向かないままぽつりと「伸六……がんばれよ」最後の最後で、弟の純真な気持ちを認めてくれるんだよねぇぇえ!!!

(゚ー゚*)「兄さんっ!元気でなっ!」ようやく笑顔を取り戻して、喜びと唇を噛み締めてるおかだくんの表情がほんとぉぉおに素晴らしい。あんな純真な笑顔見たことないうわーんっ!!!


さらにここからがお待ちかねのハイライトですよっ!

さっぱりした表情で空港を出てきたグズ六のところへ、全力で走ってきた二人。もりたが下駄でおかだの顔挟んでぎゅむむむむ!ってしながら泣きそうなのがたまんない。

(仝_仝:)「俺グズ六にいろいろ言ったけどさぁ、グズ六のこと大好きなんだよ!これからもずっとバカやってたいんだよ!頼むよグズ六さん!」
(・△・)「俺もグズ六さんのこと大好きなんです、だから帰んないでくださいよッ!」
(仝_仝:)「なんだよもー!俺とオメダがここまで頼んでんだろ!なんとか言えよグズ六!」
(゚ー゚)「(ぎゅむむむむ!っとひどい顔にされながら)……帰るぞ」
(仝_仝:)「まだ帰るなんて言ってんのかよ……俺らの友情ってこんなもんか!?わかったよ、グズ六が大阪帰るっつうんだったらな、俺ノリコさんに変なことしちゃうかんなっ!」
(゚ー゚)「だぁーからっ!……俺たちの部屋に帰るぞっつってんねやろ」
(仝_仝:)(・△・)「「へっ?」」
(゚ー゚*)「俺は、兄貴見送りに来ただけやねん。んなもんなぁ、大好きとか、いっしょに暮らしたいとか、よくそんなこと言えんな。おまえら、危ないんとちゃうか?……アホっ!(最大級の照れ笑い)

↑ほんとはトランク持ってって、帰るつもりだったグズ六。ちゃんと二人がいてくれたから、居場所を用意してくれてたから、故郷には帰らなかったんだよね。もう失敗作だろうがマイナーだろうが売れてなかろうが本人にすら認められてなかろうが、このちょっと前歯出る感じの「アホっ!」が、オカダ史上最も輝いた名台詞だと、これからも私は信じて疑わぬ。

ねぇ……信じられるかい?
カミセンて、こんなにもメンバー愛を叫ぶ場面が公共の電波に乗って堂々と流されていたグループなのだぜ?(ドラマだけど)

いや~少年アイドルとしてのカミセンの破壊力は、凄まじかった。どんな作り事も公式には敵わなかった。彼らが今の世でもわきゃわきゃしていることに、奇跡と感謝を感じねば!


“「ニッポンの将来」と「ただひとつの愛」と あなたは どちらが大切ですか”


アンティム帰ってきて「おっちゃぁぁあん!」「なーみちゅわぁぁあん!」ってハグするグズ六さんが微笑ましいエンディング。公園で「ぶちょ~♪」実に爽やかに部長のたこ焼き屋さんへ駆け寄るグズ六。グズ六の後押しのせいなのか、部長も夢を追う生き方を選んだようだ。たこ焼き献上するも、ノリコさんの機嫌は直らず……たこ焼き、か(遠い目)

PU-PU-PU-では陸の家がたこ焼き屋さんだったので、しょっちゅう三人でたこ焼き焼いてた(みやけが技術指導という斬新さ!)し、D×Dの虎ちゃんはたこ焼きの代金返してもらうため(という名目で)相棒を助けた。21世紀に入ってからも、ジャンクフードバトルでは、ひろしのご協力のもと、おかだの夢16cmたこ焼き(でかけりゃいい、というアホの発想)を作成していた。だから、てっきり私は「たこ焼き大好き人間なんだなぁ」と……関西を捨てた今であっても、彼のおやつはたこ焼きであってほしい気がする今日この頃、なのだぜ!


天の声「いかがでしたか。次回は、オメダが実の父親が誰なのかを知ってしまう。一目会いたいと父親の会社へ乗り込むが、あっけなく無視されてしまうオメダ。どうなることやら?」

*1:張り切るトニセン……じゃなかった、不審なヒッピー三兄弟を見て物思いにふけっていたのはグズ六さんだったのでした(@ネクジェネ1000回記念の井ノ原発言より)