そのうち笑い話になるさ

得意分野は土曜の夜、日曜の朝です。

ただのブイシックス好きがサイコメトラーEIJI舞台化と聞いて渋谷へ行ってみた

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あれはまだ小学生の頃、ドラマ版が学校で話題になりまくってサイコメトラーごっこに励んでいたどんぴしゃ世代です。ちなみにドラマの1期2期はVHSで持っていますし、原作も何度も読んでいるので、けっこう厳しく観られるはず。張りきって予約した座席は最前列ど真ん中……こうして私のクジ運は肝心じゃないところでどんどんすり減って行くのだ。張りきって早めに行ったらうまうまと先着特典のESPカード(そうそう、これが欲しかった!でも原作の単行本にもおまけで付いてきた気がする!)がもらえてほくほく。失礼な話ですが、今回、内容には露ほども期待しておりませんでした。沢木晃、もとい我らが橘さんこと天野浩成さんが観られれば(あとほんのちょっと太陽くんが観られれば)それで満足だと思って出かけました。舞台版では、章吉は登場せずトオル(太陽くん)が登場しますが、物語の重要度としては確かに間違いない。でも序盤では、章吉よりモブだった気がするぜトオル。あと裕介どこ行った。「時計仕掛けのリンゴ」をやるなら、章吉の想い人が被害者になるわけだから、むしろ章吉を出したほうがいいんじゃ……などというのは所詮イノッチ、もとい3バカトリオ好きの戯言である。本題に参りましょう。

(奇しくもネクジェネでイノッチが楽しそうに松岡の話をしていてほくほくしました)




今この時代にどんな客層が観に来るのかおおいに謎だったのだけど、かなり平均年齢高めかつ主婦とおっさん率が高くて感心。よっぽど入りが……と見えて、本日落日の最終公演リピーターチケットも残っているようだった。これは第2弾は期待できないだろうなと思うとちょっと寂しい。いざ開演して、前座は刑事コントにて上演中の諸注意。懐かしの「歌詞の間違っている大きな古時計」と揺れる椅子にニヤリ。ドラマと異なり左手縛りは無し。体力の消耗が原作やドラマに比べてめちゃくちゃ激しい気がする。肝心のサイコメトリーに観覧車爆破、なんだかあんまりにも想像通りの演出だったので拍子抜け。最前列だったせいもあってかスモークマシンフル活用させ過ぎ。BGMを想像通りのタイミングでFI・COさせ過ぎ。でも一番最初のパンチの勢いサイコメトリーは目の前でやってもらったので迫力があって格好良かった。正直(自分が)殴られるんじゃないかと思ってびびったのは内緒だ。

志摩さんはだいぶいい線いってました。カーテンコールで真ん前で胸の谷間見せていただいてなぜか得をした気分。すみません。あと、江川透流のビジュアルだけは衣装も含めてそのまま原作から脱け出してきたんじゃなかろうか、の太陽くんだったので、おびっくり。足が長い、手が長い! Ya-Ya-yahの当時から背の高い子なイメージはあったが、いや~、立派に育ったなあ。ビジュアル完璧なだけに、喋るとやっぱり太陽くんなところが無念。結局、恵美ちゃんのお守りと最後の人質、蹴り要員(おお、トオルがようやくトオルの仕事した!)だったのも、これ裕介で充分だった気がしないでもない。あの素敵ビジュアルを存分に生かしきらなかった感が悔しい。エイジは志摩さんと並ぶと違和感が無いが、トオルと並ぶと小さく見えてしまいどうにも……私にはミニ松山ケンイチに見えたのだ。恵美ちゃんがただのギャルだったのは納得いかない。せめて黒髪にしておくれ。あの同級生面子の中で一番格好良く見えたのが布袋くんだったのは、やっぱり私は変なのだろうか。

(橘さんはテンプレ天野浩成芝居で安定でした。安定と信頼のリブラゾディアーツという感じ。ちゃんと田辺誠一を継いでましたよ。むしろ谷原章介イズムを感じたよ。もう登場から退場まで驚きの胡散臭さなので、むしろなぜ志摩さんは沢木晃を疑わない!?と目を剥くレベル。おどおど芝居は不覚にもキュンときた。やっぱり悪役やらせると目が眠そうだ。どうして真面目に銃を構えるだけで笑えてきてしまうんだろう(ギャレンラウザー!ギャレンラウザー!と内心興奮したのは私だけでよい)降服して志摩さんに銃を差し出す→ふりをしてターンして懐から別の銃を取り出して構える、なぜだかどうにも可笑しくて可笑しくて……あまりに予想通りの動きしたものでさ。SMプレイとか橘さんもとい天野さんのクチから聞けるとは。彼が沢木だと、なんかこう全く脅威に思えないのは不思議。結局橘さんて、騙す側は向いていないんだよなあ。)

1時間50分で能力を説明しつつ事件起こして謎を解くのは、よっぽど上手くやらないと難しいな。ただでさえ原作も説明不足な描写のある事件なだけに、原作やドラマを知らないとわからないだろうなと感じる部分(唐突に赤城さん降臨させたって、原作読んでなきゃ絶対わかんないだろ)が多くて、人員のリストラ(女の子が握ってたバックの取っ手→教授が握ってた、東堂一平や鳥居あかねの消失、もう一度言うけど裕介どこ行った?)と設定の改変(女王様と奴隷の契約ってなんぞ? 赤か青かの格好良い騙し合いはやらないの?)は混乱でかくて、尺が足らなくて、エイジとトオルの友情も全然だったしなあ。原作もドラマも違和感があった握手を全員に求める流れをやらなかったから、てっきり、飲んでたコップをサイコメトリーするのかと思ったらそんなことは無かったぜ。おかげで沢木がエイジをサイコメトラーと察するタイミングがご都合的な気がしたぜ。志摩さんの色仕掛けを原作沿いに再現してくれたのはけっこう良かった。惑わされるエイジが可愛くてニヤニヤ。半数近くの観客がマガジン世代のおっさんだったのも納得だよ!

うーん、原作に似せようという努力と気概はあったけど、あえていま舞台で、この事件を選んで取り組んだ必然性と驚きはほとんどなかった作品な印象。それでも子供の頃の記憶が甦らされてノスタルジー半端なかったし、目当ての役者さんを間近に観られたので、それなりに楽しかったなあ。サスペンスや推理ものじゃなくて、ファンタジーな人情ものと化してたけど。なんかそんな無理やりイイ話にしなくてもいいじゃないか感が気になったなあ。時間が無いから急ぐのは仕方がないんだけど。ドラマ1期の最終話付近でエイジが左手潰す展開が好きすぎてすごく思い入れあるから、舞台版エイジの決意表明は、どうにも薄っぺらく思えてしまったな。まあそこが高校生らしくていいじゃないと言われるとそんな気もする。少なくともドラマ版よりは断然原作っぽかったね。原作やドラマを未見の人が初見で全て理解できるかどうかは、わからん。などと評価しつつも物販のDVDはしっかり予約したので、届いたら更に詳しく分析(自分ならこう演出すると熟考)するつもりです。やあ~、私は誰がなんと言おうとドラマ2期の章吉派だな( *・ω・)ノ