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そのうち笑い話になるさ

得意分野は90年代の土曜9時ですが、22年目の話題にもできる限り迫っていく所存です。

携帯芝居「イノなき」雑感

イノなき

イノなき

「戸惑いの惑星」について考えまくっていたら「携帯芝居イノなき」を思い出したので、10年前に書いた感想文を自分用に上げておこうと思う。今さら感想文再録シリーズ。

思えばこれも井ノ原役の井ノ原が見られる、自分の存在とは何かを問う物語だったような気がする。まさにダーザイン。*1 (あの曲ほど真面目な物語じゃなかったけど。笑)

もっとも、あの時の井ノ原さんの存在証明は「俺は いつでも(携帯サイト・イノなきの中の)ここにいるからね」という、自分のためというよりは他者の気持ちを優先したような、対外的な自己肯定だったので「戸惑いの惑星」とは全然違うっちゃ違うんですが、戸惑いを見てなんとなく懐かしくなったのも事実なので、それはそれでね!

「戸惑い」と「芝居なき」と「ダーザイン」を絡めて、舞台上における“イノハラヨシヒコ”考察をやったら、オタク的にはこの上なく捗ると思うんだ。どなたか一緒に喫茶店でアップルパイを食べながら語らいませんか……!(音符のストローも忘れずに!)


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(どっかのUSBに残してあるだろう、たぶんこの中(上記写真)と思っていたらどこにも残していなくて、「あ~これはこの世から抹殺したやつだ、終わったな」と思ったのですが、昔、使っていたブログのアカウントが奇跡的に生きていて、見事、移すことができました。)

ちなみに自分はかつて、極度のイノなきスト(そんな言葉もあるんだかないんだか:イノなきは我が心のバイブル!)をこじらせていて、なきを捩った携帯ブログを5年間毎日更新していた時代がある。イノなきがあって、あれに憧れたから、今があるようなものだ。今回の記事を探すうえでざっと読み返してみたが、10年前の自分のあまりのテンションの高さと無邪気さに驚いてしまった。学生の感性ってすごい。今となっては怖いくらい。というわけで多少読みにくい面もあると思うが、何かの参考にでもしてもらえたら幸いだ。*2


『携帯芝居「イノなき」』
脚本・演出・出演:井ノ原快彦

会場:東京グローブ座
期間:2007年8月12日(日)~8月19日(日)






《はじめに》


16日昼公演を観劇しました。奇しくも この舞台が、九年目にして初めての生V6拝見となりました。緊張したぁ~!!! 私も演劇部員(一応、現在も)だったもので かじる程度ですが舞台制作に携わってきた経験があります。そのような意味では最高の機会だったと思います!


暑い中だいぶ待って、ようやく会場入りです。パンフを買いつつ、なにやらポスターと同じ井ノ原快彦クリアファイルをいただいてしまいました。こんなの恥ずかしくて永久封印だぜ……(笑)


無論、東京グローブ座は初めて訪れましたが、想像していたより こぢんまりとした劇場でした。舞台と客席との距離も近くて、なにやら小劇団の舞台を見に来たみたいです。この時点で自分の中では近所の兄ちゃんが舞台出るから見に来たよ的な感覚が拭えなくなってました。かなりリラックスモードです。ね、眠いぞ……(笑)


舞台装置は奥に本や雑貨の置かれた低い棚があり、両脇に高い棚(裏側がスクリーンになっている)が置かれてあります。おもちゃのロボットが何者か気になりましたが、あれはオリジナルかな? 中央にゴチャゴチャと物が置かれた机があって、イノなきステッカーに彩られた私物らしきノートパソコンがありました。客席寄り、下手側に赤い椅子とミニテーブル、上手側に白い椅子とギタースタンド。どうやら舞台は井ノ原快彦の部屋のようです。


まずは、スピーカーから観劇上の注意を促す井ノ原快彦。やるんじゃないかなと思っていたら本当にやりましたね! 会場内をニヤリとさせて、掴みはOKといったところ。いよいよ始まるぞ~!!!


《あらすじ》


部屋でイノなきを書いている井ノ原。パソコンで打った内容が背景のスクリーンいっぱいに映しだされていく。真剣な表情……やがて、スクリーンに衝撃の一文が。


「イノなきを書いているのは僕じゃない」


暗転後、突然下手から井ノ原登場。ラフな服装で、携帯片手に誰かと会話している。相手に「曲づくり」の状況を尋ねられるものの曖昧に返事して電話を切ってしまう。


部屋に戻ってきた井ノ原。早速、曲づくりを始めるのだが、ネタがない……。


話は井ノ原が曲を作る様子を追いかけていく。部屋に置いてあるものをいじったり、言葉を並べかえたり、イノなき本を読み返してみたり、曲に合わせて踊ったり……。




中盤になって、もうひとりの井ノ原(自称・ハット被ったかっちょいいほうの井ノ原……裏井ノ原みたいです。ややこしいので井ノ原Bとします)が登場する。実は井ノ原Aが電話で話していた相手はBだったのだ。


井ノ原Aが今までとってきた(かなり不可解な)行動をスクリーンに映し出し、井ノ原Bは突っ込みや 掛け合いを行っていく。
(つまり、舞台上に あたかも二人の井ノ原が存在しているかのような、二人芝居のような状態)


井ノ原BはAの面倒をみてやっているつもりだ。イノなきを書く担当のBは、その日のイノなきを嘘で固めてしまった。Aは言う。そんなの、間違ってる。Bは言う。だから、それは、お前だろ。


Aは……井ノ原は、その日のイノなきを修正した。正直に、感じたことを書く井ノ原。出来上がったばかりの新曲を高らかに歌う。素晴らしい歌だった。


やがて、歌い終えた井ノ原は静かに言う。


「そーゆーことか」

「俺は ここにいる」






ってことかな? 私の理解力では こんな感じの話でした。二人の井ノ原さんの掛け合いは天才的で、あれを考えた彼はスゲェなと感動してしまった。井ノ原快彦という人間の見所を濃縮した舞台みたいなコントみたいな映画みたいなライブみたいな、そんなエンターテイメントショーでした。




《印象に残ってるネタ》


曲を作るはずが、どんどん脱線する井ノ原さん(たち)の紆余曲折




・「太ってるのにガリガリ君

井ノ原AにBが言ったネタ

「うわー、言いてぇー!」

いろんな人に電話をかけまくるが なかなかおもしろく言えない

「いくら食欲ないっつったってアイスくらい食べてんじゃないの?……夏痩せした? あっそう……」

とうとう、祖母や石塚さん(!)にまで電話をかける始末……


・イノなきで お馴染、あいうえお作文

「FNS」→「フラれて 泣いてる 坂本くん」などなど

イノなき本に たくさん書いてあるFNSを読み返して「ふざけんな なんだよこれ スゲェ時間の無駄じゃねーか」と言うけれど、これもFNSじゃん! と気づく井ノ原
(いちいちつけるポーズが決まってました)


・何事も「ぽ」をつければ可愛くなる

「無機質なものも可愛くなるんじゃない?」「パソコぽ、かわい~!」
(アホ全開です)

「おかだじゅんいぽ、もりたぽー、みやけぽん」「ぽんちゃんかわい~!」
(幸せだな、と思いました)


・言葉の並べかえ

写真立てを見て「縦写真」「立て、写真!」
(いちいちスクリーンにおかしな映像が現れます。映像効果、上手かったな)


・勘で仕事するタクシー運転手の話

「勘です」
「雨が降る。ほ~らね。勘だけど」
「細目のアイドルが乗ってくる。ほ~らイノッチだ。これも勘だけどね」
「勘で娘さんを僕にください」
「缶だ」
「神田」
(くだらないのでボーっと見てました)


・サイクルセンターナガノを熱唱

井ノ原Aに井ノ原Bがハモりをつける!

井ノ原A「CD化したらミリオン間違いなしだったのに」
井ノ原B「長野くん家が100万人家族だったらな


・イノ6が歌い踊る「Darling」

「V6の歌も歌ったほうがいいんじゃねぇか?」

カミセンパート、しゃしゃり出る井ノ原に、自分で「それカミセンのパートだろ」と突っ込む(お前はカミセンじゃねーぞ!連呼・笑)
「(後ろの左側のやつ)あいつ全然合ってなかったぞ!」


・坂本さんは健康診断で間違って63歳って書いても、本人も医者も気づかないよね!の話

坂本さんは10000円をゼロふたつも見落として100円だと思って「100円? 安くねぇ!?」と本気で言ったことがあるらしい

「坂本じゃ~ん!!!」
「俺も坂本じゃ~ん!!!」
「(客に)気づかなかった? 全員坂本じゃ~ん!!!」
(坂本じゃん=うっかり屋さんの意、みたいです。後に本人からは「俺をバカにしないほうがいいと思います」とメッセージをもらってました・笑)


・ほんとに酷い顔の静止画

井ノ原BがAの映像をリモコンで動かすが、必ずスゲェ顔してるところで一時停止してしまう

「気持ち悪い~」
「アイドルとしてというより人としてどうなの
(自分で言っちゃった・笑)


・Aの映像を合成して遊んでみよう

「懐かしいね~、ナウシカ
電車、道路、サーフィン、頭が痛い~
(これは残念ながら映像を見ないとニュアンスが伝わらないね)


ポンキッキで登場したパペットいのっち

「どーして僕が喋ってるときイノッチの口が動くの?」
「(パペットを前に出して)こーすれば気にならないだろ」
「あっ、ほんとだ気にならない!」

パペットに煽られて「春を待とう」を熱唱

何気に「天国は待ってくれる」DVDを宣伝(笑)


・「イノなき」で遊ぶ

「粋なの」

メンバーの名前をド忘れしてしまった井ノ原

「ここまで出かかってるんだけどな。いっか。……いや、よくねぇか」
「長野……岡田……成田(長瀬)……健?」
「なんだっけ、おっさん(坂本さん?)…………黒いの!(森田?)」
(井ノ原Aがしゃべっていた支離滅裂な独り言、よく聴いてみればINONAKIの あいうえお作文になっていた、というオチ。さすが……!)




《あとがき》


上演後もパフォーマー井ノ原のサービスは終わりません。明日のぶんのイノなきを舞台上で書きはじめます。「ショップの人」を「ショップに人」って打ち間違えたのに気づいた瞬間のリアクションが素晴らしかった。イカしたお客さんって言われちゃったぜ(笑)


袖に引っ込んでもなかなか なりやまない拍手に、二回くらい出てきて頭を下げてました。最終的には多くのお客さんがスタンディングオベーションしていて、ちょっと悔しかったけれど私も立ち上がって見送ってしまったぜ……!


それから、忘れちゃならないのが おもしろおかしなパンフレット! 井ノ原さんのパソコンを意識した外装で、カラフルなステッカーつき。表井ノ原と裏井ノ原の対談とか文字絵(?)とか、アホ企画満載。メンバーのコメントも素敵(長野さんの「井ノ原、あんた面白いよ!」に爆笑)で、メッセージを寄せた人々の層の広さは井ノ原さんの人柄の賜だなぁって感じでした。冗談抜きで、松岡にオファー出しちゃえばよかったのに……!(笑)


裏表紙には「裏イノなき」へのコードもついてました。舞台上演期間に毎日更新されていた、裏井ノ原が書く裏イノなき。内容は表井ノ原への文句や注文ばかりだった気がします(笑)


随所に遊び心が溢れてて、これでもかってくらい、終わってからも楽しかったです……!!!



《感想と考察》


この舞台は井ノ原快彦以外には作れないな、というのが一番思えたこと。彼の人を惹き付ける能力、誰かを楽しませる能力の高さに改めて驚かされました。表井ノ原の情けなさも、裏井ノ原の心意気も、全部まとめて井ノ原快彦なんだよな。やっぱイノッチ カッコよかったぜ。惚れ直した!


ただ、内輪ネタが多かったのでV6好きじゃないとわからない笑いもありました。「イノッチが言っていなければ」笑えないネタは、どこか冷めた目で見てしまいました。


思わず「くだらねー!」と呟いたら舞台上の井ノ原さんのセリフに まんまと被ってびっくりでした(笑)


このヒトは、きっと普段も こんなことやってんだろうなと思うと微笑ましくてなりませんでした。限りなく馬鹿げておどけた後で、たまに素に戻ることがあって、それがホントおかしかった!


まさか、ここに来て「サイクルセンターナガノ」「春を待とう」「Darling」「I・N・O=NUT KID」といった曲を生で聴けるとは思ってなかったです。なんだか得しちゃった気分!
(最後の曲はアルバムに収録されるみたいですね。やっばい、思い出して感動しちゃう!)


筋書きも演出もおもしろくて、見習うべきことが多かったです。うわー、負けてられねぇ! 久々に闘志が燃えました(笑)


とにかく、井ノ原快彦の魅力をギュギュッと詰め込んだ作品だったと思います。なにもかも、心から楽しむことができました。いっぱいいっぱい笑った~! 大満足でした!!! たくさんの笑いと感動をありがとね、イノッチ!!!



2007/8/21


(2017年追記:アナグラム、という単語がすっと出てこない辺りに未熟さを感じます。ずいぶん生意気なこと言ってましたね。現在の自分より、謹んでお詫びいたします。笑)


*1:トニセンのアルバム「ROAD」収録の井ノ原作詞曲。初めてCD化したソロ曲が、まさかまさかの哲学だった。

*2:あとCCBコンとかセクバニコンとかガコイコ最終回に寄せてとかラブリーベイベーの感想文とか井ノ原 本気の作文の文字起こしとか、なんかいろいろ出てきたので、まぁ需要があればおいおい上げてみます。